ク ズ 達 の 本 音 【あんスタ】

三日目【人徳】 ページ3

生まれた時から、すべての視線は姉の雫に向けられていた。





勉強・運動ができないのに、姉にはそれを出来るまで教えてもらえる人徳があった。不思議だよね、人徳があれば、どんなことが出来なくても誰かか助けてくれるもん。








対して私は、勉強・運動も基本的にはなんでも出来るタイプの、簡単に言えばチートというものだった。





だからかな、人徳がある姉の方に皆がよってたかったのは。





そりゃ、友達がほぼいなくて勉強が出来て運動が出来るチートだからって仲良くしたいわけないよね。人間なんて自分が一番可愛いんだからさ、誰かに『助けて』なんて言っちゃいけないんだって。



むしろ近寄りがたかったチートの私と、勉強と運動が出来ないけれど人徳があって明るい姉。




どっちと友達、または仲良くなりたいと聞いたりしたら、全員姉を選ぶんじゃないかなって、予想が私はすぐに出でしまう。






まあ、比べなくても一目瞭然なんだけど・・・・・・・・。




だからこそ、真緒とか凛月、零のような幼馴染みであり、唯一一緒にいてくれた3人は端から見たら変人の類いであったんだろう、と思った。





私もそう思ったけれど、私にとって彼等しか救ってくれる救世主がいなかったから。





藁にもすがる思いで、ぎゅっと彼等を抱き締めていた。








・・・・・・・『何処にも行かないで』と言う思いも込めて。

4日目【トースト】→←2日目【劣等感】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す