85.嘘つき ページ15
二宮さんの言葉に一瞬。
一瞬だけ、胸が高鳴った。
このどきどきは、ほんの何時間か前に
鉄板焼きの店に入る時に
あの時スーツの袖を見たときに
どきどきした感じだった。
ぎゅっと胸を締め付けられるような
血が逆流してるんじゃないのってような
嬉しいどきどき。
でもね。
一瞬だった。
すぐに私の頭も心もぐるぐるといろいろな思考と感情が回りだした。
ぐるぐるの回転が速すぎて、強すぎて。
胸がぐーっと締め付けられちゃったから
どきどきが押さえつけられた。
二宮さんは、上を見ながら吐いた煙を見上げて
花壇の石垣に腰を掛けた。
また、タバコを口へ運ぶ。
それからタバコを離して、その手を石垣の上に置いた。
相変わらず、上を見たまま。
そこにあるのって、タバコの煙だけじゃ、ないですよね。
・
その見上げた先には、なにがあるんですか？
「……そういうのは、目を見て言うものですよ？」
目を合わせない言葉って、本当じゃない気がします。
意外にも冷静なトーンの自分の声にほんの少し動揺した。
今日二宮さんが着てるグレーのスーツ。
うん、私これ、好き。
凄く二宮さんに似合ってるんだもん。
そのさ？
ほんの少し袖口から見えるシャツの感じとかも、好き。
さっき、扉を開けてくれた袖口にきゅんってしたよ？
『一本、いい?』って
時間を聞かれるたび
もうちょっと時間が延びたって、いつくらいから思ったんだろう。
二宮さんの指に挟まれたタバコが少し、短くなった。
腰を掛けてる二宮さんは、立ってる私より小さいね。
タバコのにおいがする。
これって、銘柄によって変わるのかな。
会社のおっさん連中のにおいとは、違う気がする。
「……A…ちゃ……」
そういいかけた二宮さんに
今度は私が言葉をかぶせた。
「二宮さんは、嘘つきだなぁ」
私を好きなんて。
分かりやすい嘘。
目を逸らして好きなんて、言わないで？
照れてるとか、そういうんじゃないって分かっちゃうんだもん。
分かっちゃった、んだもん。
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ゆりね(プロフ) - Aiumiさん» Aiumiさん♪お返事遅くなりました。二宮さんのしぐさにキュンだなんて、うれしいお言葉をありがとですっ！ドキドキしてもらえましたか？重ねてうれしいですっ！ようやく続編できましたので、次章もお付き合いいただけたら、ありがたき幸せです☆ (2015年3月25日 8時) (
レス) id: 7fa61c935b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりね(プロフ) - はにぃ♪さん» はにぃ♪さん☆続編できました！うふふっ（笑）そうですよねーそうなんですよねー。勢いとかそういうんじゃないキスって・・・違いますよね！違うはずですっ！ (2015年3月25日 8時) (レス) id: 7fa61c935b (このIDを非表示/違反報告)
Aiumi(プロフ) - 二宮さんのさりげない仕草に、もうキュンキュンですっ!!格好付けが、二宮さんがやると全然しつこくない…爽やか(´ρ`* 私も二宮さんのお話を書いている身なので、参考にもなりますし、もうドキドキが止まりませんっ!続きを楽しみにしてます♪ (2015年3月13日 18時) (レス) id: 836d2c2535 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ♪ - 壁ドンならぬ、壁トンー!!!!やばい、やばい、心臓飛び出る（笑）「カッコ・笑」いっぱいでしたね〜なんか、二宮さんだけ余裕そうで、ずるい…。ふたりとも超幸せそうですね♪ほっこりしました（笑）思いがつながった後のキスは、今までのキスと違うのかなぁ、なんてね。 (2015年3月5日 18時) (レス) id: 87c3e824f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりね(プロフ) - いっこんさん» うふふ（笑）いい感じににのさん、仕上がってますか？私のにのさんイメージがかたまり過ぎてるので、あまり一般的に受け入れられないと思ってますが（笑）かっこいいなんて・・・ぐふふっ・・・お話を書いててよかった、ですっ！祝杯あげてます（笑） (2015年3月5日 17時) (レス) id: 7fa61c935b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりね
| 作成日時：2014年12月16日 10時
