みんなが幸せならそれで【天祥院英智】 (ページ14)

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【私じゃなきゃ】ページ14

それからも英智とすれ違いの日々は続いた。
進歩…と言っていいのかはわからないが
目があったらおはよう、とか、ばいばい、とか
そういう挨拶は交わすようになった。

…が

「まだ、天祥院くんと話せてないのかえ？
　もう、12月じゃぞ」

『わかってるよ…』

「Aも、意気地なしだな！！」

『…そういうレオも人のこと言えなくない？？
　初めは、瀬名と話せてなかったじゃん』

「それはもう過去の話だ！
　オレは過去は振り返らない☆」

…なんて自分勝手なんだ

もう、五奇人のみんな(＋レオ)とこうやって
言い合うことは日常になっていた。

「…あのー、失礼します」

と入って来たのは、夢ノ咲唯一の
プロデューサーであるあんずちゃんだった。

「あ！あんず！うっちゅ〜☆」

「うっちゅ〜☆じゃぞい、お嬢ちゃん」

『うっちゅ〜☆』

「うっちゅ〜？」

寒いだろう、入りな〜と
私たちがすっぽりとハマっている
こたつへと招き入れる

「あ、そうだ
　お話があって来ました」

『ん、いいよー
　私は寝てるから、お好きなだけ〜』

「いえ、その、、、
　お話があるのは、Aさんにです」

『…え？私？』

床に投げ出していた体を起こす

「はい、ちょっとお願いしたいことがあって」

『私にできることならなんでもお手伝いするよ』

軽い気持ちでそう言った。
すると、なぜか、零が

「だそうじゃ、」

とニコリと笑った。
零のその笑顔は、悪意のある顔だとすぐにわかった。

「ありがとうございます！！
　それでは早速なんですけど

　…曲を提供して欲しいんです。」

ピシッと私の動きが止まる

『…それ私じゃなくても良くない？』

「いえ、Aさんじゃなきゃダメです。」

『だって、私よりも優れてるレオだって』

「オレは今、Knightsで忙しい！」

「Aさんじゃなきゃダメなんです。」