みんなが幸せならそれで【天祥院英智】 (ページ11)

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【一件落着】ページ11

宗は、ミシンから離れ
私の方に近づいてくる。

「僕はね、あの頃のようにとはいかなくても
　みんなと、一緒にいたいのだよ」

『みんなで…か』

「うむ、嫌なら君が曲を怖がるなら
　提供しろとも書けとも言わない。」

『…』

「まぁ、いつかはまたぜひ
　君の曲を歌いたいとは考えているけれどね」

『いつ、書けるようになるかもわかんない』

「書かなくていい、だから
　あの時と同じように
　くだらない話をして、僕の作業に
　邪魔をして怒るあの日々のように…ね」

あぁ、私は君を傷つけて
Valkyrieを一度は壊して
それでも、一緒にいてほしいなんてお人好し

『平和が壊れそうな時
　全力で君たちを突き放すよ』

「あぁ、それで構わない。
　君の曲如きで、平和が壊れるなんて
　思ってもいないからね」

宗は、私をなんだと思っているのか

「まったく…いつまでウジウジしているのかと
　心配したのだよ」

『は？宗にウジウジとか言われたくないんだけど？？
　手芸部の角で、布団かぶって
　隠れていたのは誰ですかねぇ？？』

「んなっ！
　もうそれは過去のことだ！！」

『過去は過去でも、宗も
　ウジウジしてるじゃんか！』

「過去のことを引っ張ってくるなど
　卑怯だね！！」

『何を〜！！』

「やるのかね小娘！！」

ギャイギャイと言い合っていると

「それくらい"げんき"そうなら
きっともう"だいじょうぶ"ですね〜」

「先日は、我輩の話は全く
　聞き入れてくれなかったのにのぅ…我輩悲しい」

「あぁ！私の数多くの手品でも
　笑顔にすることはできなかったのに！」

「宗にいさん、Aねえさん、うるさいヨ
　外まで丸聞こえ。
　もうちょっとボリューム考えてネ」

先ほどまでいなかった、五奇人が集合していた

はぁ、私の唯一の安心できる場所が…

「これでいっけんらくちゃくですね〜
　よかったです、A〜」

奏汰に抱きしめられ…てっ！？

『冷たい！！なんでこんなびちょびちょなの！？
　また、噴水にでも入った！？』

「あれ、バレちゃいましたか？」

『バレるもなにも離れて！？』

「おやおや、この日々樹渉が
　乾かしてあげましょう☆」

「2人が風邪ひいても困るからネ
　渉にいさんお願いするヨ」

「この懐かしい雰囲気久しぶりじゃのう…♪」

あぁ、本当に久しぶりだ。
いつだっけ最後にこうしてふざけ合ったのは

これも時代の変化のおかげかな。

____ねぇ、英智、君は今幸せですか？