【文スト】女だなんて聞いてない。

#27 ページ27

中原幹部の視線が凄く痛い。

飲めと指図してる。





……しょうがない。






グラスに口をつけた。


強い酒の匂いが鼻を擽る。













＿＿｢中也〜！

盗んだ白ワイン、やっぱ返すねぇ…＿＿｣









勢い良く開けた扉の音と共に聞き慣れた声。







前に居る中原幹部。

私の背後を見て大きく目を見開いている。







序でに言えば口が凄く開いている。

餌を待つ魚か。






いやそんな事ではない。
背後の視線が兎に角痛い。








｢……は……？｣









空間に居る者が息を止めてしまう程に低過ぎる声。




心無し、

室内の温度が幾分か下がった。









ポキッ、ポキッ、

手首を鳴らす音が近づいてきた。




以前暇な時間にやり込んでいた、
ホラーゲェムを連想させる。





『だ、ざい幹部＿＿＿』










振り向くと同時に肩に置かれた手。


重みがあるのは気のせいではない。











｢……尋問といこうかA｣













＿＿＿＿パリ…ッ…ンッ…！











手の中にあった、
グラスを取り上げられて床へ投げ捨てられる。






赤いワインの液体が床へ飛び散った。





＿＿＿……勿体無い…。

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