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参拾八 ページ39

「あら嫌だわ、こんな沢山の人に見つめられて…あたし、初対面の方とお話しするの苦手なの。

でも駄目ね、ちゃんと説明しなくちゃ。
きっと皆さんすごくお困りだわ。
だってこんな見知らぬところに急に連れてこられたんですもの。
私だったら心臓が跳び跳ねて((「ナオミは何処だ」

女の子の声を遮った谷崎さんは割と前の方にいた

「…あらご免なさい。その説明が最初よね。探偵社の皆さんはあちらよ」

そこには怪しげな扉があった

谷崎さんは扉に駆け寄りドアノブを捻るが、どうやら開かないようだ

「鍵無しでは開かないわ。開くのはあっち」

そのドアは私のすぐ側にあったので外を見てみる

『……外は時間が止まってるみたい』

私の方に駆け寄った敦にそう言った

「あたしの名前はルーシー。此処はあたしの異能力で作った空間なの。でも、安心なさって。そのドアから誰でも出られるわ……お仲間を取り返したくなければですけど」

「如何する心算だ」

「簡単よ。この部屋のアンと遊んでいただきたいの

……いらっしゃい、アン」

女の子の背後から巨大な人形が表れた

「アンは遊ぶのが大好きなの…少し甘えん坊だけど可愛いのよ」

異能空間に巻き込まれた一般人の人達はその人形を見ると悲鳴をあげながら一目散に白い扉へと走った

「あ、但しそのドアから出たら部屋の中のことは忘れちゃうわよ。宜しくて?」

記憶から消されるのか…なら、外に出て助けを呼ぶことも無理…

少し静かになった頃、私は再度周りを見渡した

「……残ったのは4人だけ?」

なんで森さんも残ってるんだ…

もういいや、他人のフリしよ

私は3人に構わず趣味の悪い部屋だなぁと思いながらうろうろしていた

「ルールは簡単よ!可愛いアンと追いかけっこをしてタッチされたら皆さんの負け。捕まる前にその鍵でドアを開けたら皆さんの勝ちよ」

敦と谷崎さんの前に鍵が現れた

「それで、参加されるのは誰?」

追いかけっこかぁ…追いかけられるのは苦手なんだよなぁ

「2人同時でもいいのか」

敦はルーシーにそう聞いた

お、私はいいのかな

「別に構わないけど…3人でなくていいの?お遊戯は沢山の方が楽しいのに…」

「大丈夫だ」

「Aちゃんはそこの一般人の方の傍にいて守ってあげて」

『……了解』

ポートマフィアの首領だから私が守らなくても平気だろうけど…

ルーシーはこの部屋の物は壊せないと説明した

じゃあ赫子も無理か…

頑張れ、敦、谷崎さん




「Ready…Go!!」

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作者名:やきなす | 作成日時:2020年11月10日 11時

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