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「おーい!!」

向こうから此方を呼ぶ様な声がした

「こんな所に居ったか唐変木!!」

河川敷の向こうには眼鏡をかけた真面目そうな男がいた

「おー国木田君ご苦労様ー」

「苦労は凡てお前の所為だこの自 殺嗜癖!お前はどれだけ俺の計画を乱せば…」

「そうだ君達。良いことを思いついた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう」

「へ?」

君達…私も?

「君達、名前は?」

「中島…敦ですけど」

『……AA』

「ついてき給え。2人共何が食べたい?」

「はぁ…あの……茶漬けが食べたいです」

茶漬け…あぁ、お茶を掛けて食べるあれか

「はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か!君は?」

『…なんでもいいです』

どうせ食べれないし…

「そうかい?まあいいよ、国木田君に三十杯くらい奢らせよう」

「俺の金で勝手に太っ腹になるな!太宰!」

「太宰?」

「あぁ、私の名だよ

太宰、太宰治だ」





私の隣で中島はガツガツと茶漬けを貪る

ここに来る途中、私は気付いた

何故かここは東京ではなく横浜で…

喰種も鳩もいない

匂いや気配が全くしないのだ

匂いといえばこの3人…確かに人間の匂いなんだけど…今まで嗅いだことの無い匂いだ

「Aちゃんは本当に何も食べないの?」

『…大丈夫です。水だけで…』

ていうかなんで着いてきてるんだろ私…

「はー!食った!もう茶漬けは十年は見たくない!」

気付けば中島は茶漬けを平らげたみたいだ

「いやほんっとーに助かりました!孤児院を追い出され横浜に出て来てから食べる物も寝る所もなく…あわや斃死かと」

どうやら中島敦は経営不振やらなんやらで施設を追い出されたようだ

経営不振とはいえ…別の施設に移すとかじゃないのか?

「Aちゃんもそうかい?」

『いえ…まあ家がないのは同じですけど』

「ふぅん…」

この人のこの胡散臭い笑顔…なんか苦手だ

それにこの人…なにか隠してる

「お2人は何の仕事を?」

「なァに…探偵さ」

太宰さんはキリッとした顔で言うもんだから嘘かと思ったけどどうやら本当らしい

予想が外れたかな、黒い組織かと思ったけど

「異能力集団、『武装探偵社』は知っているか?」

『異能力…武装探偵社?』

「おや、知らないかい?」

簡単に言うと、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団らしい

CCGみたいなものか…?

まずいな…腕のいい探偵だとしたら喰種である事がバレるかもしれない

ていうか異能力ってなんだ…?

参→←壱



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作者名:やきなす | 作成日時:2020年11月10日 11時

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