第27話 にゃんこかわいいよにゃんこ ページ29
あれから、まるで何もなかったかのようにカノはへらへら笑っていた。
いつの間にか、観覧車を乗り終わっていて、皆に囲まれる。
キドとセトに笑いかけるカノはまた胡散臭い笑みを浮かべていた。その手の中には、なんだろうか、なんとも微妙な顔をした猫のストラップがある。いやほんとなんだそれ
さっきの顔は、見間違えだったのだろうか。
…ううん、多分、違う。
「…A？」
シンタローの声ではっと我に帰った。
「どうしたんだ？観覧車降りてから元気ねーけど、」
「…ううん。なんでもない。」
空はすっかりオレンジに染まっていた。
綺麗な夕焼け。
良い子は帰る時間。
「そろそろ帰るか」
キドの声にマリーちゃんとエネちゃんが残念そうに声をあげる。
まだ遊びたいという二人を宥めながら私達はアジトへ帰った。
***
どうして。
必死に動かす足を止めず走り続ける。頭に思い浮かぶのはずっとその疑問だけだ。
いつも歩いている廊下なのに、その時ばかりはなんだかとても長いように思えた。
考えを振り切るように走る。走る、でも、さっきの光景が忘れられない。
自分の教室に倒れ込むように飛び込んだ。
体力も運動神経も人並み以下の私はもう既に限界を突破してしまっていて、それでも壁を背もたれにしてなんとか立っていた。
息を少し整えてから顔を上げる、そこには、机があった。
誰も座ってない、なにも置いてない、ただの机。
もうどこにもいない、あの子の机。
ああ、
ああ…
あああああああああああああああ！！！
ぐちゃぐちゃになった頭を抱えてしゃがみ込む。もう流れないと思っていた涙がぼろぼろを流れてきた。
どんなに願っても、あの子は帰ってこない。
帰ってきてくれない。
どうして、
なんで。
「こんな…こんな記憶…こんな世界…」
馬鹿みたいな事を願う。願ってしまう。
「…壊れちゃえ。」
***
「わぁあああ！！！」
叫び声を上げ飛び起きる。乱れる呼吸を整えようと息を吸った。
…なんか、凄い嫌な夢を見たような…
もうどんな夢だったかすら覚えてないけど、体はまだ震えてるし嫌な汗は流れ続けている
どうやら、朝が来たようだ。
ため息をつけつつ顔を上げるとふと鏡が目にとまった。
「…え？」
その鏡に映る自分の姿に思考が停止してしまう。
「…はぁあああ！！？」
本日二回目の悲鳴がアジト内に響いた。
第28話 今回時間なくて短いです→←第26話 観覧車乗ったことないです
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雫月 - 久しぶりに見たら沢山話が…！ふぉーーーーー！w！ (2019年7月5日 21時) (
レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - コチラコソ！アリガトウゴザイマス！(嬉しい嬉しい嬉しい！) (2019年6月24日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
トメィトゥ(プロフ) - 雫月さん» こんなんでよろしかったでしょうか…コメントありがとうございますm(_ _)m (2019年6月23日 19時) (レス) id: afec6e4094 (このIDを非表示/違反報告)
トメィトゥ(プロフ) - 雫月さん» 「え、俺！？なんで俺が…あ、えっといつもありがとな、これからもよろしく…ってなに笑ってんだお前ら！！」 (2019年6月23日 19時) (レス) id: afec6e4094 (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - シンタローからの返信欲しいです！できたらです！できたらお願いします！ (2019年6月23日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トメィトゥ | 作成日時：2019年6月5日 17時
