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第26話 観覧車乗ったことないです ページ28

「いやー中々いい眺めだね、Aちゃん」

「…ソウダネー…」

目の前でにこにこと胡散臭い笑みを浮かべるカノから目を反らし答える。

うん、今の私、目が死んでると思う。

私は今、観覧車に乗っている。

…カノと二人っきりで。

事の始まりはマリーちゃんだ。

観覧車に乗りたいという話になり、ペアを決めるときくじ引きになった。

『あ、私2番。2番の人ー』

『はいはい僕ー、宜しくねAちゃん☆』

そう言って笑うカノを見て、思わずくじ引きで使った紙を握りつぶしてしまった。

別に、カノが嫌いというわけではない。

というか、私、そもそもカノと二人で話すこと自体初めてといっても過言ではない。

マリーちゃんに石にされてるか、キドに殴られてるかのイメージぐらいだけど。

…嫌いではない。

嫌いではない、が…

苦手ではあった。

カノは、なんだかすごく嘘くさい。酷い奴ではないのだろう。違和感も感じない

ただ、笑顔がいつも胡散臭いと思ってしまう。

へらへらと貼り付けたような笑みが、多分自分は苦手なのだろう。

座って外を見る私と、立って外を見るカノ。

下から見える景色は段々離れていっている。

多分もうすぐ頂上だ。

ちらりと外を眺めていた視界をカノに映すと、なんだか違和感を感じた、

いつも通りの胡散臭い笑みだ。

でも、なんか、

怖がってるような。

「…カノ?」

名前を呼ぶとカノも私を見た。

「ん?どうしたの?」

「…具合でも悪いの?」

私の問いかけに、カノは一瞬無表情になったような気がした。

しかしすぐさまいつもの笑みを浮かべ直す。

「んー?別に大丈夫だけど…どうしたの?」

「別に…なんかちょっと、無理してる気がしたから」

私の答えにカノはそっか、と呟く。それからまた、沈黙が続いた。



…き、気まずい!!!

くっそ!!余計なこと言っちゃった!?あーばかばか私のばか!

「…ねぇ、Aちゃん。」

「は、はい!」

沈黙を破ったのは予想外にもカノで。慌てて返事をする。

カノは、笑ってなかった。

例えるなら、迷子になったような小さな子供のような。

困ったような、泣きそうな顔をしていた。

「Aちゃんはさ、多分、姉だったんだろうね。」

「…姉?」

「そう。…似てるから」

思わず溢れてしまった、と言わんばかりの弱々しくて小さい声。

それって、

カノには、そんな存在がいたの?

臆病で勇気がない私はそれを聞くことが出来ずカノをただ見つめることしかできなかった

第27話 にゃんこかわいいよにゃんこ→←第25話 ネタが思いつかねぇっ!!!!



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雫月 - 久しぶりに見たら沢山話が…!ふぉーーーーー!w! (2019年7月5日 21時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - コチラコソ!アリガトウゴザイマス!(嬉しい嬉しい嬉しい!) (2019年6月24日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
トメィトゥ(プロフ) - 雫月さん» こんなんでよろしかったでしょうか…コメントありがとうございますm(_ _)m (2019年6月23日 19時) (レス) id: afec6e4094 (このIDを非表示/違反報告)
トメィトゥ(プロフ) - 雫月さん» 「え、俺!?なんで俺が…あ、えっといつもありがとな、これからもよろしく…ってなに笑ってんだお前ら!!」 (2019年6月23日 19時) (レス) id: afec6e4094 (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - シンタローからの返信欲しいです!できたらです!できたらお願いします! (2019年6月23日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トメィトゥ | 作成日時:2019年6月5日 17時

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