あの未来 〜ナオトの記憶〜 ページ43
千冬
『橘直人…
お前が知りてぇ東卍の情報をやる
その代わり、頼みがある』
直人
『…なんですか？』
千冬
「場地Aの身の安全を保証しろ
あいつが東卍から出たら、情報提供に協力させる
そのかわり、身の安全を保証してほしい
東卍を抜けるのは、命に関わる
あいつはいろんな情報を知りすぎてる
いなくなったら、血眼で奴らは追ってくる…』
直人
『ですが、彼女が警察に協力してくれるか、わからないですよ？
場地Aは、口が硬い
だから経済界の大物も彼女を信頼して取引をしている』
千冬
『そこは、俺が説得する
だから、頼む
Aを元の一般社会に帰らせてぇんだ
こんなこと、お前にしか頼めねぇ…』
確かに、東卍の内部を知る人間は貴重だ…
直人
『…わかりました
その話、お引き受けしましょう』
そう答えると松野千冬は、すっと手を差し出した
千冬
『…必ず、Aを守ってくれ…』
直人
『警察の威信にかけて…』
Aさんとタケミチくんを東卍から連れ出したのは羽宮一虎
彼から、松野千冬が稀咲の手にかかったことを聞いた
羽宮君に付き添われ、警察署に来た彼女
東卍から出てきて、昨日の今日…
すでに彼女は警察の警護対象になっている
だけどとても話ができる状況ではない…
憔悴しきっている
そんな状況でここに呼んでいるこちらにも非はあるが…
担当官が話しかけても、一切何も答えない
入れ替わり立ち替わり、担当官が話をするが埒があかない
とうとうその役目が自分に回ってきた
何から話そうか…
直人
「…松野くんはあなたを東卍から出す為に、僕と協力関係にありました…
東卍から出た後の、あなたの身の安全を心配していました
彼と約束しました
必ずあなたを東卍から守ると
だから、なんでもいいです
話せることを、少しずつでいいですから」
少しだけ彼女は顔をあげ、小さく頷いた
直人
「ではまず、あなたの名前を教えてください」
A
「…みや…
羽宮、A…」
直人
「…場地Aではなく…？」
A
「…羽宮、です…
疑うなら、戸籍を確認していただいても構いません」
直人
「疑ってなどいません
実際、行方不明届は羽宮くんが出してますから…」
そこから少し話をしたものの、東卍については口を閉ざしたまま
それでも、良すぎる記憶力に目をつけられたこと
幹部同伴でないと外には出れなかったこと
その時滞在していた場所については話してくれた
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神奈月(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。お話は佳境ですが、みなさんに楽しんでもらえるようにがんばります。 (2022年11月27日 7時) (
レス) id: d80d51a44f (このIDを非表示/違反報告)
あい - いつも更新を楽しみにしています。千冬と一虎、これからヒロインとどんな結末が待ってるのかとても楽しみです (2022年11月26日 16時) (レス) @page39 id: c280eab537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年11月1日 13時
