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眠っているトラくんに近づいて、無意識のうちに彼の首に両手を添えようとしていた
だめだ、こんなことしても、何の意味もない
わかっているのに…
彼の首に手が触れるか触れないかの位置で体が動かなくなった
そのまま、どのくらいの時間が経ったのかわからない
長く感じたけれど、実際は数秒か数十秒だったかもしれない
突然トラくんの手が伸びてきて、私の両手を掴み、彼自身の首を掴ませた
A
「トラくん…！？」
一虎
「どうした、A？
殺るなら今しかねぇよ
俺のこと、殺 したいくらい憎いんだろ？」
顔は見えない
でも、低くて冷たい声で彼はそう言った
一虎
「お前にならさ、殺 されてもいいよ
そうなっても、恨まねぇよ」
リィン、と彼の鈴のピアスが鳴った
急に怖くなって、力一杯彼の手から逃げようとするけど、びくともしない
A
「ぃゃ…
離して…
トラくん、離して…！！
こんなことしたくないっ！！」
私がそう叫ぶと、パッと彼の手から解放された
同時に、反動で後ろに倒れ込んだ
涙が止まらない
怖かった
あのまま、トラくんを殺してしまうかと思った
一虎
「…場地のこと、許してくれ、なんて言えねぇよ…
おまえが場地を兄貴みたいに慕ってたのは知ってる
稀咲に唆されたとはいえ、実行したのは俺
俺の弱さが、あいつを死なせちまった…」
トラくんは天井を見上げながらそう言った
わかっている
圭介くんが亡くなってしばらく経ってから、真実を聞いた
泣いても叫んでも、何をしたって圭介くんは戻ってこない
そのやるせなさを、トラくんにぶつけてはいけない
頭ではわかってるはずなのに、心がついてこない
A
「私はまだ、トラくんを許せない…」
一虎
「いいよ、許さなくて
許されないこと、俺はしたんだから」
私は綺麗に畳まれたスーツを手に取り、不躾ながら勝手に脱衣所で着替え、彼に何も告げることなく部屋を出た
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神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (
レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか？ (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神奈月 | 作成日時：2022年9月24日 15時
