検索窓
今日:11 hit、昨日:15 hit、合計:64,152 hit

39 ページ39

憂鬱な気分で朝から出社するのは辛い…

元々、人付き合いが上手い方ではないから、会社で心許せる人間は少なかった

入社以来、任された商談は全て成立させてきた

失敗なんてしたことない

その代わり、抜かりない準備をしてきた

契約を成立させるために、商談相手のリサーチも欠かさない

好みを把握し、どんな話題で盛り上がるか

徹底的な準備をする

そんな私は、社内では少し浮いた存在になってしまった

枕営業、なんて影口も言われた

機械のように仕事をし、感情すら表にださない

そんな私を変えてくれたきっかけが、千冬だった

雪解けするように、それまで他人を拒絶していた私が、社内で馴染めるようになった

きっかけはシンプルで、千冬がバイクで会社に迎えに来たことだった

その翌日には同じ課内の数人に声をかけられ、昨日迎えに来てたのは彼氏か、と聞かれた

そこからは質問攻めにあい、最後には遠目で見たけど彼氏がイケメンだったとまで言われ、答えに困った

その噂は社内にあっという間に広がり、これをきっかけに少しずつコミュニケーションをとれるようになってきた

ある日、給湯室の前を通りかかると、休憩中の社員数名の会話が聞こえてきた


場地さんに彼氏いるってホントか?

たまに迎えに来てるって噂ですよ

あの人、綺麗だし頭いいし仕事できるし、だからこそ近よりがたいんだよな

仕事しか興味ないと思ってたのに…

今から彼氏に立候補してみるか?

やめとけよ、彼氏は経営者らしいぞ

私、この前偶然街で見かけたけど、すっごいカッコイイ彼氏でしたよ

俺らみたいな末端の社員じゃ、相手にされねぇよ



聞いててちょっと恥ずかしいけど、千冬を褒められてるのは素直に嬉しかった





今日は早めに帰って、夕飯の支度して待とうかな…

そしたら、何か話してくれるかな…

ペケちゃんのお気に入りのおやつも買って行ってあげよう





そう思って待っていたけど、さすがに次の日も仕事があるのであまり遅くまでは待っていられなかった

私が待っている間、千冬は帰ってこなかった

その日、千冬が何時に帰ってきたのか、私は知らない

40→←38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
157人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神奈月(プロフ) - 凍ったライムさん» ご指摘ありがとうございます。気付かずに申し訳ありませんでした。早急に対応いたしました。 (2022年9月25日 16時) (レス) id: 4cb915c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - コメント失礼します、オリフラついたままになっていませんか? (2022年9月25日 15時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神奈月 | 作成日時:2022年9月24日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。