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あれから1週間。
グループチャットに無難な挨拶だけ残して、何事もない。
たった一日、そう思っても心に引っかかったままだった。
だからと言って何かアクションを起こす勇気も無かった。


「で、合コンどうだったの?」


ニヤニヤとしながらきいてくるころちゃん。
暇だからと僕の家に遊びに来たらしい。
そういえばころちゃんには話したんだっけ。
面倒くさくなってきたって。


「別に。なんにもないですよ。」

「本当に〜?気になる子とかいなかったの?連絡先交換したとか。」


どうしても思い浮かべてしまったAさんの顔を振り払った。


「何もないですって。」

「でも少しくらい楽しかったんでしょ?」

「はぁ?何を根拠に…。」

「だって愚痴が出てこないもん。」


ころちゃんはイヒヒと笑いながら僕を見た。
鬱陶しい。
けれど次の言葉が出てこないのは図星だからだ。
合コン自体が楽しかったかと言われればそうではない。
Aさんと話している時間が楽しかったんだ。


「それに昨日出したうたみた、るぅとくんの好みっぽく無かったし。」

「ゔっ…。」


Aさんが好きと言っていた曲。
たくさんきいた。
2日足らずで覚えてしまうほど。
歌ってみたもきいてるようなそぶりだったからどこかで期待して録音した。
いつもとは違う雰囲気の曲を選択したせいか、リスナーさんからの評判も良かった。
たくさんみんなが聞いてくれたおかげで急上昇に入った。
Aさんも聴いてくれないかな。
そんな淡い期待を持ってしまったが果たしてどうだろうか。
届いただろうか。
たった一度聞いただけの僕の歌声など、彼女にはさほど残らなかっただろうか。
それでも思い出すのは上手とキラキラの眼差しで褒めてくれたAさんの姿だった。
もし彼女が気付いてくれたら、同じような顔をしてくれるだろうか。
それとも、何で教えてくれなかったのと怒るだろうか。
そこまで想像しても、出てくる結論はただ一つだった。

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作品ジャンル:恋愛
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唯凛(プロフ) - 蝉-セミ-さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけるように頑張ります!また見にきてくださるととっても嬉しいです(^^) (2021年12月5日 19時) (レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» ありがとうございます〜!!ついに(?)新作出せました〜!宣言してからだいぶ経ちましたね…(汗) 相変わらずのんびり幸せの詰まったお話にしたいな〜と思いつつ、起承転結つけられるよう頑張ります! (2021年12月5日 19時) (レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-セミ-(プロフ) - 好きです。(唐突)面白い上に文章が素晴らしくて尊敬します(´;ω;`)次の更新がとても楽しみです。失礼します。 (2021年12月4日 23時) (レス) @page13 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 新作おめでとうございます!そしてありがとうございます!笑 これからどんな展開になるのか…楽しみです!! (2021年12月4日 18時) (レス) @page13 id: 73aaf1c921 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯凛 | 作成日時:2021年12月4日 16時

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