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健太さんの自分への好意には途中から気づいた。
輪からはみ出る人を輪の中に入れたい優しい人かと思ったが、彼が気にするのは私だし、颯太くんが砂糖とミルクを入れてくれた時、少し視線を感じたのも事実だ。
それでも、気づかないほどだったこともあり、嫌な気はしなかった。
人に甘えたい自分は、人から好かれるのは好きだ。
ただ、それは恋愛における好意ではない。
人として仕方ないなぁ〜と甘やかされることが好きなのだ。
どうも恋愛的な感情を持ち込まれると一歩引いてしまう。
いや、多分速度の問題だろう。
私の思う“好き“の段階を飛び越えて来られると引いてしまう。
好きってそんなに簡単になるもの？
相手とのベクトルの違いがある段階でそんなに簡単に好意を向けて、うまくいくもの？
出会ってすぐ好きになり付き合いました、みたいな感覚がわからない。
少なくとも、わたしには向いていないんだろうな。
そんなそもそも合コンの根本的な部分から向いてない私は、やはりここに来るべきではなかったのかもしれない。
さて、この後どうしようかと、烏龍茶をグラスに注ぐ。
ぼーっとして入れ過ぎてしまった。
お酒も飲みたいからチェイサーとして使うか。
なんの考えも思い浮かばないまま部屋に戻ると、案の定健太さんと目が合う。
でも、もうあそこに戻りたくないなぁ。
曲が終わってないのをいいことに、扉の一番手前に座った。
「え？」
座った隣は颯太くんの横だった。
彼はこの会自体に興味がないから楽かもしれない。
「ダメだった？」
「…いや…全然。」
「テレビの前通ると邪魔になるかなって。」
突然の席替えに、私があなたに好意があります、なんて思われたらたまったもんじゃない、と言い訳を適当に返す。
なるほど、と小さくつぶやいた颯太くんは、あまり気にしてないように見えた。
ほんの少し、寂しそうに見えた健太さんに罪悪感を抱きながら烏龍茶を啜った。
舞は全然こっちを見てくれない。
そのくらい、私が見てるからわかる。
いい雰囲気、というより、直樹さんが舞狙いなのだろう。
経験値の低い私でもわかるくらい、舞と良い空気感を作り上げている。
私は直樹さんみたいなタイプが正直1番苦手だ。
だからと言って、邪魔しちゃいけないことくらい私にだってわかる。
自分が恋愛に向いていないことを自覚した。
やっぱりつまんない。
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唯凛(プロフ) - 蝉-ｾﾐ-さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張ります！また見にきてくださるととっても嬉しいです(^^) (2021年12月5日 19時) (
レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
唯凛(プロフ) - みなさん» ありがとうございます〜！！ついに(?)新作出せました〜！宣言してからだいぶ経ちましたね…(汗) 相変わらずのんびり幸せの詰まったお話にしたいな〜と思いつつ、起承転結つけられるよう頑張ります！ (2021年12月5日 19時) (レス) id: 365f6982f1 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-ｾﾐ-(プロフ) - 好きです。(唐突)面白い上に文章が素晴らしくて尊敬します(´；ω；`)次の更新がとても楽しみです。失礼します。 (2021年12月4日 23時) (レス) @page13 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 新作おめでとうございます！そしてありがとうございます！笑 これからどんな展開になるのか…楽しみです！！ (2021年12月4日 18時) (レス) @page13 id: 73aaf1c921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唯凛
| 作成日時：2021年12月4日 16時
