この運命は恋ですか？ 2【桃】

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こ「でもさとみくんも色々考えちゃう人だからさ、素直になってあげてよ。」

「…なれないもん…。最初あんなに拒絶しちゃったし…。」

こ「でも切っても切れないのが運命なんじゃないの？」


そこまで知ってるの？
優しく微笑んで私の頭を撫でるにぃに。
心地よくて身を預けるようにもたれかかった。


こ「何。酔ってんの？」

「酔ってるよ。」


さとみさんが優しくても、にぃにが私の幸せを願ってくれていても、私から一歩踏み出せない理由。

オメガにとって、アルファと番うのに利点があっても、アルファには一切と言っていいほどない。
オメガはヒートが番のアルファにしか効かなくなるので、襲われなくなる。
様は格段に生活がしやすくなる。
アルファにとっては、他のオメガのヒートに然程反応しなくなるだけ。
今の私のヒートの時のにぃにと同じ感じだろう。
私以外のオメガのフェロモンは感じるし、匂いに酔う事はあるだろう。
そう考えれば、むしろ生活し辛くさえなる。
オメガといるアルファは、オメガに振り回されて、縛られる。
番はいなくとも、にぃにを見てきてそんな事知ってたんだ。
だから鍵を渡した。
私から鍵を外したら、きっと彼は私への申し訳なさで番うから。
彼からだったらどちらの選択肢をとっても言い訳が立つ。
だから彼に渡した。


「ねぇ、にぃに。」

こ「ん？なに？」

「にぃには私がいて幸せと思った？」


大好きなにぃにに拒絶されたら、なんて、少し怖くなって震えた質問に、にぃにはわたしから缶チューハイを奪って机に置いた。
頬を挟まれ変顔みたいになってるであろうわたしの顔を見て笑うにぃに。


こ「そんなん当たり前じゃん。Aが居て幸せだし、Aの兄ちゃんで良かったと思うよ。」


即答とも言える早さで、にぃにが嘘をつく時の様なニヤついたわらいでもない。


「…酔ってんの？」

こ「酔ってるよ。」


照れ隠しでそんなことしか言えない私でごめんね。


「にぃに、このパーカー、私自分で返しに行く。」

こ「うん。そうしな。」


やっぱり鍵は返してもらおう。
きちんと私の気持ちを伝えよう。
素直になれるかわからないけど。

言い訳が立たない様に、ヒートが終わったら、必ず返しにいきます。

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