２９ もうひとつ ページ31
どうしよう。こんなに取り乱すショッピを見るのははじめてだから、なんて声をかければいいのかわからない。困っていると、ロボロがススッと2人に近づき、くいくいとショッピの服を引いた。
syp「……なんすか」
涙の止まらない目をこすりながらふてくされるショッピに、ロボロがフワッと笑いかける。
rbr「いっつも強がりさんしとるし大人びとるけど、やっぱりショッピくんもかわええとこあるな」
syp「なっ…！？」
口をぱくぱくさせて言葉を失い、顔を赤くするショッピ。
syp「…ガキやって思いました？」
rbr「おん、ガキや」
笑みを崩さないロボロを、ショッピがむすっとして睨む。ロボロはクスリとして言った。
rbr「ええやん、別にそれで」
syp「…！」
ショッピを含め、私たちも思わず目を見開く。
rbr「僕らはまだまだガキなんや。どうせなら"ガキだから"で許される今のうちに、思う存分ガキらしく過ごそや。ショッピくんはショッピくんのまんまでええ。無理して大人になろうとせんくてええんよ」
syp「…そうすか？」
ゾムにしがみついたままロボロを見るショッピに、私は無意識に駆け寄っていた。
『当たり前。たまには甘えてくれたっていいんだから……それに、ショッピなら絶対1年で選抜コースに入れるでしょ』
頭を撫でてニヤリと笑いかけると、ゾムがショッピを高く抱き上げる。
syp「おわっ！？」
ゾムは愉快そうにギザギザの歯を見せて笑った。
zm「そうそう、お前は強いんやから。伝説と言われる騎士の息子が保証したる！絶対にすぐ会えるから、お前も力磨いて挑みに来ぃ？俺らを倒すつもりで」
それを聞くと、ショッピはようやく透明な水に満ちたアメジストの瞳をぬぐってはにかんだ。そして、すぐにいつもの煽り笑いをする。
syp「入学してすぐ勝負挑みに行って、俺が勝ってもうてもええんすか？」
zm「！…なかなか言うやん」
『望むところだよ』
rbr「なんや、いつものショッピくんやん」
それから4人で顔を見合わせ、クスクス笑う。
『シャオがいなくてよかったねぇ、ショッピ？』
いたら向こう5年はゾムに飛びついて泣いたことでいじられるだろうからね。ショッピは口を尖らせて私にデコピンをする。
syp「もう、黙ってくださいよ」
照れかくしのくせに。ショッピはちょっと私を睨むと、ロボロに小指を突き出した。
syp「ロボロ様も、選抜コース居らんかったら許しませんから」
rbr「んふふ、頼もしいなぁ」
2人の小指が冬の庭先で絡み合った。
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しぇけなべいべ(プロフ) - かわいいかわいいかわいい撃ち抜かれた心帰ってこない.... (2020年12月5日 12時) (
レス) id: a746dec877 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ぺぴさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 紫苑さん» ありがとうございます(人´∀`)♪あたたかいお言葉がとても嬉しいです！ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぴ(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！！関連ランキングから見つけたんですけど、本当に好きで今めちゃくちゃ見返してます笑更新頑張ってくださいっ！ (2020年11月13日 16時) (レス) id: 8a41c6f408 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 推しの幼い描写が最高です。今後の2人の関係がとても気になる、微笑ましい作品です。これからも応援してます。 (2020年11月13日 5時) (レス) id: 75ef52599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年11月11日 21時
