２２ 迷子 ページ24
『おそろいだねぇ』
2人で笑い合い、店のお兄さんにお礼を言う。
「『ありがとうございました』」
「おー、こちらこそな。よく似合ってんぜ、大事にしろよ」
お兄さんは笑顔で手を振ってくれた。
rbr「ええ買い物したな」
『ね。あ、見てロボロ！あれもおいしそう』
rbr「ほんまやな」
ロボロと同時に振り返る。
『買いに行ってもいい？ひとらんさ…』
思わず動きを止めてしまった。さっきまでいたはずなのに…しまった。そう思った。一緒にいたはずのひとらんさんが、ちっとも見当たらない。
rbr「…なぁ、A」
ロボロが不安そうに手をきゅっと握ってくる。
『うん…』
rbr「迷子、やんな」
この広い市で、迷子。いったいいつからはぐれたんだろう。取り乱していると、ロボロがサッと私を先導し始めた。
rbr「とりあえず、人混みに居ったららちが明かん。市の入り口の方まで移動しよ。そのうちひとらんさんも探しに来るはずや」
『え…』
rbr「大丈夫や、絶対会える。パニックなったらあかんよ。商人の子なら混雑した市場にも慣れとるし、護衛なんて連れて来んのやから、あからさまにあたふたしとったら怪しまれる」
あくまで冷静にスタスタと人の間を縫って空いている方を目指すロボロに、なんだか頼もしさを感じる。いつもは可愛いロボロが、今はすごくカッコよかった。おとなしく手を繋いだまま着いていく。
rbr「こっちやと思うんやけど」
人がまばらになってきた辺りで、ロボロとキョロキョロする。と、
rbr「あ痛っ！」
『わっ！？』
ロボロが人にぶつかってよろめいた。慌てて支えて前を見ると、でかい男の人が2人、気味の悪い笑いをしてこちらを見下ろしていた。
「ぼっちゃん、俺腕痛かったんだけどぉ？」
「怪我したわ、どーしてくれんの？」
普通に歩けばぶつからないくらいには道がひらけてきてるのに…絶対わざとだ。
rbr「あ…う……」
ロボロがカタカタと震え出すのが、手を通して伝わってくる。そっちがぶつかって来たくせに。キッと睨みつけると、男の人たちは近寄ってきた。
「おー怖。何？お嬢ちゃんがツケ払ってくれんの？」
手首を強く掴まれる。
『触んないで』
バッと振り払ってロボロをかくまうように前に出る。周りの通行人の人たちは、見て見ぬふりで知らん顔だ。
「気ぃ強いけど、キレーな顔してんじゃん」
男の人はこりずに私のあごを持つ。……あーもう、怒ったからね？ロボロが背後で息をのむ。私はポケットに手を突っ込んだ。
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しぇけなべいべ(プロフ) - かわいいかわいいかわいい撃ち抜かれた心帰ってこない.... (2020年12月5日 12時) (
レス) id: a746dec877 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - ぺぴさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり(プロフ) - 紫苑さん» ありがとうございます(人´∀`)♪あたたかいお言葉がとても嬉しいです！ (2020年11月13日 19時) (レス) id: 5789c02b18 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぴ(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！！関連ランキングから見つけたんですけど、本当に好きで今めちゃくちゃ見返してます笑更新頑張ってくださいっ！ (2020年11月13日 16時) (レス) id: 8a41c6f408 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 推しの幼い描写が最高です。今後の2人の関係がとても気になる、微笑ましい作品です。これからも応援してます。 (2020年11月13日 5時) (レス) id: 75ef52599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうり
| 作成日時：2020年11月11日 21時
