７松 ページ9
そっと手を伸ばしてニャンコを撫でると、ニャンコは気持ち良さげに身を捩る。
そして目が覚めた俺に気が付いたのか、丸めていた体を起こして俺の膝の上に乗ってじっと見上げてきた。
「…。(助けてくれたんだ…)」
なんだか嬉しかった。
俺なんかのために頑張ってくれた事が。
“ありがとう”
そんな意味を込めて頭を撫でると、ニャンコは嬉しそうに、
『ありがとう』
と言った。
・・・・・。
「え」
え、え、え…？
今…ニャンコ…
“ありがとう”って言った？
「世の中まだまだ不思議なことがあるんですねぇ、喋る猫ちゃんなんて私初めて見ました」
「いや、いやいやいや、…え、何で？何で喋れるの？」
「あれ？松野さんも喋るの初めて見たんですか？」
「いや、そういう風になる薬があって、それを打たないと話せないはずなんだけど…」
「そんな薬があることも驚きです」
一体どういう事なのだろうか…。
あの時は確か、デカパンに注射される前に逃げたはずだからまた心が読めるようにはなっていないはず。
なのに何故…？
「……」
「……」
「とりあえずお粥作ったので食べませんか？」
「え…」
返事をする前に彼女は傍に置いてあったお椀の中にお粥を入れて、そこに蓮華を添えた。
「まずは体調を良くしてからじゃないと何もできませんし、今頭を使うのもしんどいでしょ？松野さんに何があったかは解りませんけど、とにかく今は熱を下げないと」
「…熱？」
「はい、松野さんが眠ってる間に一回測って38.6度あったんです。今寒気感じてませんか？」
「いや、少し熱い…」
「じゃあもう熱は上がりませんね、後は下がるのを待つだけです」
渡されたお椀の中には、柔らかくなった白米に混ざる様に卵が入れられていた。
正直食欲は湧いてなかったけど…。
「………」
一口食べれば、彼女は笑った。
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渚(プロフ) - 月花さん» 月花さんコメントありがとうございます！この時のイラストはazpainter2を使用して１から描いていました。今はクラスタを使っています。 (2020年2月3日 19時) (
レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 前もこの小説を読ませていただきました。でも松沼にハマっているのでまた読ませていただきます。 絵上手いですね、どうやって描いてるんですか？ (2020年2月3日 17時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 投稿頑張ってください！！ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 一気に見ちゃいました！大体3時間位かな？ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ふゆっこさん» ふゆっこさんコメントありがとうございます！天才だなんて恐れ多い…、でもとても嬉しいです、閲覧ありがとうございます！ (2019年8月31日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渚 | 作成日時：2016年2月15日 17時
