プロローグ 一松side ページ1
一松side
「なぁ、もっかいエスパーニャンコにあの薬打ってもらいに行かね？」
全ての始まりは、おそ松兄さんのこの一言からだった。
どういう風の吹き回しなのかはわからない。
単なる暇つぶしなのか…、はたまた……いや、それ以外の理由なんて無いか、あいつバカだし。
いや、理由なんてどうでもいい。
一度言い出したバカは何を言っても止まらない。
居間で寛いでいたニャンコをおそ松兄さんが誘拐し、慌てて俺はそれを追い掛け、デカパンラボまでやって来た。
全速力で走ったから、その時はかなり息が乱れていて整えるのに時間が掛かった。
そりゃそうだろ。普段俺はそんなに運動なんてしないし、俺はサンダルであいつは普通に靴だったんだから。
そしてその間におそ松兄さんはデカパンに今回の事の次第を説明。俺の息が整った時にはもう既にデカパンはあの巨大注射器を持ってスタンバっていた。
当然俺は止めようとしたが、それよりも先におそ松兄さんに捕まっていたニャンコが暴れ出して、研究所の中をあちこち逃げ回り始めた。多分あの注射器の痛みを思い出したんだと思う。猫は人間よりも記憶力良いらしいから。
そんで逃げた先が最悪だった。
いろんな薬や機具を倒したり壊したりしてニャンコが突っ込んで行ったのは、なんかよくわかんないゲートのような大きな機械。
ニャンコはそのゲートにぶつかって、その弾みで機械が作動。
急にゲートの中が光り出し、ニャンコを飲み込んでいった。
そんで反射的に俺もその中に飛び込んだ。
光の中でなんとかニャンコを捕まえたのは良かったけど、それから俺の足は地面につく事はなかった。
なんつーの、とにかく浮遊感に堪えるのに必死だった。
例えるなら、洗濯機でぶん回されるような感じ。
気持ち悪くてマジで戻すかと思った。
訳わかんなくて必死に目を閉じてニャンコを抱き締めていたら、なんか壁の様なものをくぐった感覚があった。
んで、今度は周り水の中。
何故水の中だって解ったかというと、息が出来なかったから。
この時はガチで死ぬかと思った。
とにかく死に物狂いで手足を動かして水の中から出ると、辺りは薄暗く沢山の木で囲まれている光景が広がっていた。
どうやら俺は森の中の池らしき所から出てきたらしい。
岸に上がって空を見上げると、木々の間から満月が輝いているのが見えた。
・・・・・。
とりあえず帰ったらあのバカをぶん殴ろうと、この時決意したのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渚(プロフ) - 月花さん» 月花さんコメントありがとうございます！この時のイラストはazpainter2を使用して１から描いていました。今はクラスタを使っています。 (2020年2月3日 19時) (
レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 前もこの小説を読ませていただきました。でも松沼にハマっているのでまた読ませていただきます。 絵上手いですね、どうやって描いてるんですか？ (2020年2月3日 17時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 投稿頑張ってください！！ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 一気に見ちゃいました！大体3時間位かな？ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ふゆっこさん» ふゆっこさんコメントありがとうございます！天才だなんて恐れ多い…、でもとても嬉しいです、閲覧ありがとうございます！ (2019年8月31日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：渚 | 作成日時：2016年2月15日 17時
