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111松 ページ20

「向こうにはちゃんと話しておけば大丈夫だって、こんなの我儘の内に入んないよ。なんたって家には我儘の塊みたいなのが五人はいるし、母さんも父さんも笑って承諾してくれると思うよ」

「……そうでしょうか?」

「そうでしょうとも」

 

あっちの世界に行ったら暫くは帰らないだろうし、Aが楽しみたいなら我慢しないでもいいだろう。今までずっと我慢してきたんだからそれぐらい羽目を外したって罰は当たらない筈だ。俺は正直人混みは苦手だけど、Aが行きたいと言うのなら一緒に羽目を外すのもやぶさかではない。

 

「んじゃあ行く事んなったら教えてけろ。そしたら浴衣出しとくけん」

「……え、浴衣?」

「あ、はい。いつもお祭りに行く時は着付けてもらってたので」

「行こう」

「え、一松さん?」

「絶対行こう。それ以外に選択肢は無い」



俺の中で絶対に祭りに行かねばという熱い使命感が生まれた。

だって浴衣だよ?この子が浴衣着るんだよ?めっちゃ見たい。そして今気付いたがこれは所謂浴衣デート。ニートでいる限りそんなイベントは夢のまた夢だと思っていたのにこんなチャンスが舞い込むなんて…、今までは兄弟達だけで祭りに参加しても空しいだけだったし、人混みを掻き分けて歩かなきゃいけないから暑苦しくて仕方なかったし、カップルとかが無駄にはしゃいでいるのを見るだけで人を殺せそうな気になってたし。
だが今回は違う、思う存分エンジョイ出来る。邪魔をする悪魔共もいない最高の環境で…!

爺さんにそこそこ挨拶をして至急梅宮邸へと帰還した。
早速祭りへの参加の許可を得なければ。





――――――…





《駄目》

《駄目だな》

《駄目だよ》

《駄目ー!!》

《駄目だね》

「なんでじゃボケェェェェッ!?」



帰還後すぐにスマホで連絡をとったけど、五人からは即座に却下され思わず奇声を上げてしまい、お勝手で昼食作りをしていたAが驚いた声を出したあと俺の安否を確認してきたからすかさず大丈夫と答えておいた。

許可を得られなかったと知られればAは苦笑いをして落胆する気持ちを隠す事だろう。そんなの駄目だ。せっかく自分の心を表に出してくれるようになってきたのに、また悪い癖が再発してしまう。

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(プロフ) - ことみさん» ことみさんコメントありがとうございます!イラストをお褒めいただき嬉しいです。これからも励んでいきます!応援ありがとうございます! (2019年7月27日 22時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 絵が上手過ぎて脱糞する。。。  更新、頑張ってください!一気読みしてきました♪タイトル見た瞬間あ、これ、神作品やわ。って思ってw応援してます! (2019年7月27日 5時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シヴァさん» シヴァさんコメントありがとうございます!イラストを誉めていただけると本当に嬉しいです!まさに生きる糧になります! (2019年7月5日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
シヴァ - 絵がすっごく上手くてビックリしました!!絵があると想像しやすくてとっても面白いです!! (2019年7月5日 0時) (レス) id: 39ad7af53b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 三月の糸姫さんコメントありがとうございます!イラストたまにしか載せられませんけど、お褒めいただいてとても励みになります!これからも更新頑張っていきます! (2019年5月9日 0時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年1月14日 22時

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