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109松 ページ18

「…、なんせ野良猫系男子ですから。自由に気紛れに生きるのがモットーなのですよ」

「確かに一松さんは猫系男子ですけど、ふふ」

《いや一松はどっちかっつーと、根暗と見せかけてのノーマル四男だと――》

「切るよ」

《わぁぁ切らないでごめんなさい!!そうです一松様はカッコいい一匹狼の猫系男子様です!!》

「狼なのか猫なのか」

「あはは!」

 

まだ涙目ではあるけれど、顔を上げたAにはもう苦悩の色は見受けられない。

…良かった、やっとちゃんと笑ってくれた…。

片手で口を隠しながら満面の笑みを浮かべるAに安堵し、俺もそれに同調する様に笑みを溢した。



そうして暫く笑って落ち着いてから、Aはようやく、今まで他人の為に抑えていた幸せになる為の我儘を口にした。





「一松さん、皆さん、少しの間甘えてしまってもいいですか?」

 



この我儘を聞き入れない者が、この場に居る筈がない。





《えぇ、勿論よ!》

《少しの間と言わず、ずっとこっちに居てもらって構わんさ。そうすれば長年の夢だった娘が出来るんだ、むしろこっちがお願いしたい》

《ぃよっしゃー!!これでヒロイン枠が一つ増えたー!!これで俺にもチャンスが巡って来ちゃうー!?》

《ついに廻りだすか、恋の歯車…!》

《いやこれはもう一松ルート一択だろ、いい加減諦めろよ》

《あと一松。さっきの幸福論については帰ってからお父さんも入れてちょっと話があるから》

《一松兄さん御愁傷様》

《ちくびピンチー!!》

 

さながら勝利のお祝いムードの様に向こうは大騒ぎ。一方こっちはというと、向こうの馬鹿騒ぎについていけず、互いの顔を見合わせてまた二人で吹き出した。



ようやく踏み出せたこの一歩を無駄にしてはいけない。ずっとこのまま、お互い笑っていられるように、今度は俺がAを守る。

胸の内で決意を固めつつ受け入れてもらえた達成感に浸りながら、安心して復活した腹の虫が鳴るまでの間お互いに笑いあった。







―――だから気付かなかった。

ニャンコが部屋の隅にいて、何かを訝しげに見つめていた事に…。

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(プロフ) - ことみさん» ことみさんコメントありがとうございます!イラストをお褒めいただき嬉しいです。これからも励んでいきます!応援ありがとうございます! (2019年7月27日 22時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 絵が上手過ぎて脱糞する。。。  更新、頑張ってください!一気読みしてきました♪タイトル見た瞬間あ、これ、神作品やわ。って思ってw応援してます! (2019年7月27日 5時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シヴァさん» シヴァさんコメントありがとうございます!イラストを誉めていただけると本当に嬉しいです!まさに生きる糧になります! (2019年7月5日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
シヴァ - 絵がすっごく上手くてビックリしました!!絵があると想像しやすくてとっても面白いです!! (2019年7月5日 0時) (レス) id: 39ad7af53b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 三月の糸姫さんコメントありがとうございます!イラストたまにしか載せられませんけど、お褒めいただいてとても励みになります!これからも更新頑張っていきます! (2019年5月9日 0時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年1月14日 22時

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