『スイカ割り3』 ページ5
「わぁ!本当にキュアムーンラ○トだー!」
「へ?」
女の子はそんな台詞と共にAに抱き着いて来た。
なんかどっかで聞いたことがあるような単語が出てきたんだけど、…なんだっけ?プリ〇ュアのキャラとかだっけ?
Aは最初戸惑っていたけど、女の子の言っている事を理解したのか困ったような笑みを浮かべ、女の子と目線が合うようにしゃがみこんだ。
「ふふ、もうバレちゃったわね。どうして分かったの?」
「だって朝ずっと見てたもん!大好きだから私わかるの!」
「そうなの?いつも見てくれて嬉しいわ!」
「えへへ、私も会えて嬉しい!今日は変身しないの?」
「悪さをする人達はいないからね。平和に楽しくスイカ割りしようね」
「うん!あ、私ね、レナっていうの!」
「レナちゃんだね、よろしくね」
…………なんだあの平和な世界。
優しすぎて眩し過ぎて直視できません。自分が入っていい空間じゃねぇ。つかA順応するのマジ早ぇ。
子どもの夢を壊さないAの人心掌握術に感心していると、俺と同じく蚊帳の外だった男の子と目が合った。
凄いジト目だ。
「……」
「……」
あ、こいつ悪餓鬼だなって一目で分かった。
あれだ、ト〇ロに出てくるカ〇タみたいな。
「ほれ、手ぬぐいと木刀持ってきたけんこれで割れぇ」
「あ、ありがとうございます。じゃあレナちゃんと、えっと、君の名前は?」
「……達也です」
「じゃあ達也君とレナちゃんどっちが先にやる?」
「レナ先にやりたい!」
「達也君は?」
「……俺、後でいい」
「そっか、じゃあ先にレナちゃんからね。目隠しするから後ろ向いて」
「はーい!」
Aは山中さんから手ぬぐいと木刀を受け取ると、レナちゃんとキャッキャと会話しながらスイカ割りの準備をし始める。
その様子を見て子どもの世話はAに任せて大丈夫そうだと思った俺は早々に庭に面してる縁側に腰かけた。
完全に俺空気だけど、こういうのを眺めるのは嫌いじゃない。
リア充のキャッキャウフフの光景だったらケツにダイナマイトぶち込んで爆破してやりたくなるけど、あれは見てて和む。それになんか…こういうの…、あ、あれみたいで…、Aが母さん…みたいな…、親子のやり取りみたいな……、で…お、俺が……ち……ち……
「おじさん」
「ちっとか思ってねぇしッ!!」
「は?何言ってんの?」
いつの間にかガキんちょが隣に来てて俺の妄想はかき消されたちくせう。
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渚(プロフ) - 月花さん» 返信が遅れてしまいすみません。1でもコメントしたのですが、Azpainter2というPCソフトを使っています (2020年2月3日 20時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 絵上手いですね。どうやってらんですか? (2020年2月3日 19時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» ご要望にお応え出来ず申し訳ございません…。今後ともよろしくお願いいたします。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: d823623ddd (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - すいません;最新頑張って下さいね。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 森田菜々子さん» えっと、それは短編小説のリクエストでしょうか?それですと申し訳ないのですが、小説のリクエストは受け付けておりませんので…。 (2018年9月4日 18時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年1月14日 17時