歌い手にいろいろしてほしいお話集 【歌い手】[短編集]

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『こういう私は嫌い？』






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「……え、」





『……普通はさ、彼女のさ、こーゆー……なんていうんだろ、え、えっちな姿とか、好きなんじゃないの、男の人って』






「……えーーっとぉ……苦笑」

『っ、もういいばか』





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鼻の奥が少しツーンとした。


96猫さんには残念だけど失敗でしたと連絡を入れよう。






天月くんの前をすり抜けて自分の部屋に閉じこもろうと駆け出した。

このまま同じ空間にいたくない


視界がぼやけてきたのが分かって足を速めた。





だけど、次は私の袖が引かれてしまう

そのまま抱きしめられる




部屋には辿り着けず、逆戻り







“ じゃあ正直にいうけど ”




なんて、そんないつもより真剣な声で言われたらもう何も考えられないし抵抗なんてできるわけない






心臓がドキドキと大きな音をたて始めた
耳にかかる息がくすぐったい





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「………誘ってるようにしか見えないよ」


『あっ……、』

「ねえその格好でどれくらい外にいたの？ 何時間？ 俺より先に何人の男がその格好見てるの？」

『え、あ、えっ……、』




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はじめて見た余裕のない彼



急すぎて何がなんだかよく分かってないし、なんなら何も受け止められてない


ど、どうしよう、どうすればいいの






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「あーもう今すぐにでもできることなら抱き潰したい」

『抱き潰ぶっ……！？』

「今までずっと我慢してたのにさぁ……」






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俺の頑張り返して？





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