一生に一度の恋３ (ページ9)

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バスターミナルまでの道のり、
車の中でカズはゆっくりと話してくれた。

今は母ちゃんの事もあるし、
すぐには動けないけど必ずAの側に行く。
自分で決めた事なんだから
頑張ってやってみな。
寂しくなったり、目の前が真っ暗になった時は
いつでも連絡してきて良いし、帰ってきても良い。

少しの間１人だけど
お兄ちゃんが行くまで頑張れ。と…

私達は、再会の約束を胸に
離ればなれになった。

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バスターミナルに着くまでに
カズがくれた言葉が
大阪での暮らしを支えてくれた。

最初の頃は寂しくて毎日カズに電話を掛け、
毎回同じ言葉で励ましてもらう。

「オレが行くまで、あともう少し頑張りな。」

そして、通話が終わると１人で泣いた。

自炊する時も無意識にカズの大好物の
ハンバーグを一人暮らしの量では無い数を
作ってしまう自分に落胆し、
カズが居たら…と、また寂しくなる。

お陰でハンバーグに関しては
プロ並みに上手くなったし
レパートリーも増えた事は満足している。

そしてその年の秋、今の仕事に就いた。

カズに何て説明しよう。
怒られるかな…？軽蔑されるかな…？など、
色々悩みに悩んだが
自分の決めた事だったし、
彼には自分の嘘が通用しない事が
分かっていたので、
素直に正直に全てを話した。

『私、明日から…風俗で働く事にしたから。』

「…………」
カズが黙り込む。

『…カズには怒られるかな、って思ったけど
嘘付きたくなかったし、
自分で決めた事だから。』

「………………良いんじゃない？
Aが考えて選んだ道なんだし、
とことん…やってみたら？(笑)」

まぁ、それならもう少し男心
勉強しないとAには無理だろーけどね！って
笑いながら話すカズ。

ほら。やっぱり。

カズは絶対に私を否定せず
受け入れてくれる。

どんな時もそう。

「頑張るのは良いけど、……ただ。
…身体壊すぐらい無理はしないでよ。」

そういつもの優しい声で心配してくれた。

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