一生に一度の恋３ (ページ26)

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ードキッ。
胸を鷲掴みにされた様だった。

櫻井さんの色気を目の当たりにして
もう何処を見たら良いのかも分からず
恥ずかしくて堪らなくなった私は、
自分の横にあった彼の二の腕に顔を引っ付けて
空いていた自分の左の袖で
窓ガラスから見られているであろう顔を
必死に隠した。

今の私は絶対真っ赤だ。
見られたくない…

櫻井さんはそんな姿を見て
笑いを堪えているのか
身体が小刻みに揺れている。

……悔しい。
まだ会って少ししか経っていないのに
もう既に櫻井さんに
やられっぱなしなんだけど…。

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電車は心斎橋駅に着き、
２人腕を絡めたままご飯屋さんに向かい
目的の場所に辿り着く。

陽は既に傾き、薄暗くなった道の脇に
外観は照明で明るく照らされたお店。

中に入り、二階へと続く階段を登ると
少し薄暗く落ち着いた雰囲気の店内に
革張りのアンティーク調のソファーや
テーブルが並んでいる。
その上に小さいガラス容器に入れられた
複数個のカップキャンドル達が幻想的だ。

客層は圧倒的に女性が多く、
何故こんなお店を知っているのか
櫻井さんを不思議に思った。

店員さんに案内され、席に着くと
メニューを覗きながらとりあえず飲み物を頼む。

「ん～。俺…コロナで。…Aは？」

『……マンゴージュース１つ。』

店員さんが下がるのを確認して、
忘れないうちにと
持ってきた紙袋を櫻井さんに渡す。

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