一生に一度の恋３ (ページ15)

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その夜、２人で一緒に
カズがこれから働くであろう
ホストクラブへ行ったが
面接という形式張ったものでは無く、
お店の代表とこの時はまだ主任だった裕くん、
そしてその月のNo. 1のホストの
５人でお酒を飲みつつ、
世間話を１時間程して終了した。

正直これが面接なんだ…と
拍子抜けはしたが、
カズはこれっぽっちも気にしておらず
いつも通りの愛想の良さで
既に店側の人達と打ち解けていた。

帰り際に代表さんが
明日から一緒に頑張っていこーや。と
男の色気たっぷりのスマイルをカズに見せる。

カズも明るく爽やかに笑って
ハイッ！と返事をし、堅い握手を交わして
私達は帰宅した。

ホストという職業は
基本的に面接に来た人間は
余程の事が無い限り、採用される。

お客さんを持たない新人は
とりあえず飲み要員となり、
先輩の席にヘルプとして付き
浴びる程お酒を飲まされ卓の単価上げに徹する。

そして新規のお客さんに付き、
場内指名、送り指名が貰えると
そこからがやっとホストとしてのスタート、
なんだとお店の女の子が前に
熱弁しながら教えてくれた事を思い出した。

…カズは大丈夫だろうか。
ここは大阪ミナミ。
東京とは文化や人もまるで違う。
言葉だって標準語だし、
毛嫌いする女の子だっているだろう。

そして、
色恋営業や枕※を求める子もいる。
夜の業界には付き物だ。

私は何て世界にカズを
引き込んでしまったのだろうと
自分を責め、後悔ばかりしていた。

しかし、カズは私の心配を他所に
ホストとしてどんどん開花していった。

※色恋営業＝甘い言葉をかけたりして彼女だと信じ込ませる営業方法。
枕＝SE Xの事。

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