173話 ページ23
「A──!!!」
Aが大きな箱に頭から倒れ込み、ハリーが呼吸も痛みも疲労も忘れてムーディに掴みかかった。
それと同時に、鍵が掛かっていたはずのドアが弾け飛んだ。
入ってきたのは、マクゴナガル先生と、スネイプ先生、そして──ダンブルドアだ。
ハリーは初めて、ダンブルドアがヴォルデモートが恐る唯一の魔法使いだという意味が分かった。
倒れるムーディを掴んで見下ろしたダンブルドアの形相は、これまで見たどんな顔よりも恐ろしいものだった。
「さあ、いらっしゃい……ポッター」
マクゴナガル先生に肩を引かれながら、ハリーは倒れ込んだAを見た──血が出てる。
倒れた先にあった箱に頭を打ったせいで、額から目にかけて大量に出血していた。
磔の呪文によって一瞬意識を失ったけど、頭を打った衝撃で意識が戻ってきたようで、血が流れる額を両手で抑えながら蹲っている。
「A!!!A──!!!!」
『──……ハリー……』
「ッ………!!!!」
蹲ったAが、掠れた声で言った。
ほんの少し上げた顔は半分赤く染まって──多分、額から目にかけて切れたんだと分かった途端、体内の血液が沸騰するような感覚がした。
言葉を選ぶとか、空気を読んで、とか普段は普通にできていたことが、今はできる気がしなかった。
ただあったのは、身体中の血が沸騰して、頭に昇っていく感覚だけだ。
「お前、よくも……!!!!よくもAに傷をつけたな!!!!」
マクゴナガル先生を振り払う勢いで叫んでも、ムーディは起き上がらない。
「離せ……!!お前!!!お前に同じ傷をつけてやる!!!!よくも……!!!」
「ポッター、落ち着きなさい……!!」
「A──!!!」
Aの元に行きたいのに、マクゴナガル先生はハリーがムーディの所に行くのだと思っているようで離してくれない。
「──離して!!!!」
「ポッター!!!落ち着きなさい、シャフィックは大丈夫です。セブルスが今、治療していますよ」
マクゴナガル先生の言う通り、Aの元に駆け寄ったスネイプが既に彼女に呪文をかけていた。
それでも、今すぐ駆け寄りたいという気持ちは少しも収まらなかった。
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黒猫_Kurone - 2人の仲がいいことがわかるイラストでめちゃ好き…。番外編も面白くて、わくわくしながら読んでます！作者さん、素敵な作品とイラストを提供していただきありがとうございます！！ (6月17日 15時) (
レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
黒猫_Kurone - ダンスパーティーで、フレッドの活躍や、主人公ちゃんがハリーの目の色に合わせて、ドレスを選んだというシーンとかめちゃ好きです！閑話のハリーと主人公ちゃんのイラストで、ハリーかっこよすぎて惚れるし、主人公ちゃん、天使…めちゃかわいい…(チーン (6月17日 13時) (レス) @page37 id: 02580b15cb (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - ダイアナさん» コメントありがとうございます❕セドリックの最期は本当に切ないですよね😖 (6月5日 0時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - セドリックｳｳｳｳｳｳｳ (2023年3月3日 6時) (レス) @page30 id: 43545663d6 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - みのみのさん» コメントありがとうございます❕私も、この炎のゴブレットがハリー・ポッター作品の分岐点のようなお話だと思っているので、とても嬉しいです!!イラストを公開するのが何気に一番緊張するので、ドンピシャと言っていただけると本当に安心します😖 (2022年9月19日 21時) (レス) id: 6bc61cb134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま | 作成日時：2022年9月15日 17時
