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男子校なのにモテ期がきてしまった! ページ9

目の前には刺青のヤクザ、背後には怯えてる友人。
ヤクザは目を光らせ、徐々に近付いてくる。

「いやいやいや、意味わかんないっすよ、男ですよ!!」

俺に腕が伸び、優しく頬を包み込む。

あれ?この人結構優しい人?

そう思ったのも束の間、頬に鋭い痛みを感じた。
それと共にパンっと響く音。
頬を叩かれたのだ。

「っ、何すんだよ!!!」

「母親に言っとけ、今度舐めた口ききやがったら息子が大変な事になるってな」

いや、そんな事当の息子が母さんに言うの!?
可笑しくない!?

舌舐めずりと共に俺の腰を這う手は、彼奴の物とは違いとてつもなく怖かった。
俺はどうなるのだろうか、つか十神は?

「あ、後は…頼ん、だ」

十神いいいいい!!
薬でも盛られたのか!?スヤスヤと眠っていやがる!!

「お前ら、十神に何をした」

「邪魔だから薬を刺しただけだ、危険なもんじゃねぇ」

「十神を眠らせて何をするつもり」

「決まってんだろ」

俺の問い掛けにヤクザは片手を俺の服の中に滑り込ませる。

だから嫌だったんだよ!!こんな物騒な所!!
俺はどうなるんだ、死ぬのか?

恐怖でギュッと目を瞑ったその瞬間

「警察、呼びましたよ」

いつの間に背後に現れたのか、息を切らした舜の姿がそこにはあった。
その声と共にけたたましく響くサイレンの音

「やべっ、逃げるぞ!」

覚えてろよっとお決まりのセリフを吐き捨て、ヤクザ達はその場を去っていったのだが
真後ろに、それよりも怖いただならぬ気配を感じ、俺は咄嗟に振り向いた。

「…舜?」

見た事もない表情、眉を鋭く寄せ俺を睨み付けるその目、思わず強ばってしまう俺の体。

「何処を触られた」

「え、いや、腰…とか、ってお前この野郎!!何すんだよ!!」

俺の声と共に腰に触れる舜の手。
ヤクザのものとは違い、何処か心地良さを感じた。



いや、何でだよ!?何で心地よくなってんだ俺!?
待ってくれ待ってくれ、可笑しいだろ俺!!

状況が飲み込めない俺に対して、舜は俺をぎゅっと抱き締め

「心配させんな」

妙に掠れたその声と、少し震えている舜の手。
ドキッと心臓が高鳴った気がした。

「ご、ごめん」

更に力強く抱き締めるその腕に俺は身を預け、ドキドキと高鳴る鼓動を隠しながら舜の体温を感じていた。




「う、ううん…此処、は?」

そんな中、1つの声がし、声の主は俺達の姿を見てポカンと口を開ける。

「あ、え…っと、お邪魔、しました…」

「ちが、違うんだ十神!!十神!!!」

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作者名:yuno | 作成日時:2018年12月31日 11時

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