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音。12 ページ13

目を開けると洞窟の中だった


上半身を起こすと少し気持ちが悪かった



ハク「起きたか」


『・・・・』


毒の果実を食べて倒れた私


ハクは毒だと知っていたから私を


『よく、分かったね』


ハク「表情が、歪んでた」


『はぁ?』


信じられない言葉に洞窟の中に私の声が響く


口を抑えてハクを見る


なんだ此奴。


『んじゃ、私は散歩するんで』


体にかけられていた毛布をどけて


洞窟から出て行った


少しフラつきはするけど


でも、少しくらい大丈夫さ


大分歩き、木に凭れた


『・・・気持ち悪っ』


喉を抑えてしゃがむ


嘔吐はないと思うけどただただ気持ち悪い


胸の中がぐるぐるする


「あ、あんた!」


声をかけられ立ち上がる


そこにはユンがいた


よりによってあんたか


あんただとより一層胸がぐるぐるチリチリする


『な、何?』


少し笑みを作った


すると私の手首を取り引き寄せられた


『え…?』


ユン「気持ち悪いなら、頼って。言って」


そう言われて、ホッとした


背中をさすってくれる優しい手


女みたいと思ってたけど


意外と強くて、逞しくて


ユン「はい、これ飲めば少しは楽になるよ」


『・・・ん』


タケに入った水を飲んだ


スッと溶けたように体が楽になった


前を歩くユンの後ろ姿


少し揺れた気がした

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作者名:愛夢瑠 | 作成日時:2016年4月10日 22時

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