【まふまふ】そくばくおうじ 。

23:けいおんぶのおうじ ページ25

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しばらくゆったりした時間を過ごしていると、どこからか聞こえてくる音。





｢え？ 何この音。｣



リズミカルな音楽で、心を揺さぶられるようなそんな音。
まふくんは、あぁと言って目線を下に落とした。






｢見てみる？ そこから見えるよ。｣

｢え？｣

｢軽音部の練習。｣








私の手を引いて、屋上の柵から下を見ると

派手な集団がギターや、キーボードやらなんやらで音を鳴らしていた。
みんながみんな、楽しそうだ。


その様子をすごいなぁ、と思いながら見ていると
まふくんから一言。









｢Aちゃーん。｣


｢ん？｣


｢僕あれサボってきた｣


｢え？｣



｢あれ、文化祭の練習。｣









｢……………｣





まふくんも、馬鹿だなぁ。

理由は、聞かなくてもなんとなくわかった。

きっとまふくんは、｢なんで｣って聞いたら｢Aのため｣って言うのが目に見えてる。
人目が恥ずかしいのもあると思う。





｢やりたくないの？｣

｢うん。Aちゃんいないし、つまんないし。｣

｢でもやんなきゃダメでしょ。｣






それじゃ、いつまでも大人になれないよ。
私がそういえば
まふくんはじゃあAちゃんも来て？って笑う。






｢ボーカルはやだよ。｣

｢僕ギターやるのに？｣






うーん。


───── まふくんは私に甘い。
それと同様、私はまふくんに甘い。









｢裏方ならやるよ。｣









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