33:飢えた人間、助けた勇者 ページ33
.
｢あの、そらる？｣
｢……とんとんしないの？｣
｢はぁ？ どこまで図々しいの、｣
｢早くしてよ。｣
そらるは絶対に折れそうになかった。
だから私は、仕方なく
そらるの背中を手でさすってやった。
そらるは、しばらく私の肩に頭を置いて鼻をすすっていた。
｢……お前は勇者だ｣
｢は？｣
｢力がない奴を、ラスボスから守ったんだよ、お前は。｣
｢……｣
ちょっと何言ってんの、この人。
通訳呼んできて通訳
｢……お前は、今日、一人の人を生きさせたんだよ。｣
｢え？｣
｢とんとん止めないで続けて。｣
｢……ほんと。｣
ほんと、図体ばかりでかくなって
いつも私のことを馬鹿にしてくるけど
ほんとうは
私の後ろをくっついていたあのころと同じそらるなんだなぁ。
｢ここ尻？｣
｢脇腹だよふざけんな｣
｢肉ありすぎて……。｣
声の震えが治ったそらるは
いつものように、殴りたくなるような、笑えない言葉をぶちかましてきた。
まぁ、いいや。
そらるが元気になってくれたなら。
本当にいつも思う。
私たちは持ちつ持たれつの関係で
良くも悪くもこの関係は、変えようとしない限り変わらないものなんだって。
だったらもう、これでいいや。
そらるに、異性として見られていなくてもいい。
幼馴染みとして傍にいられるんでしょ？
どこか吹っ切れたような
悲しいような、切ないような。
心の中に爽やかな風が吹いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1506人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽにょ - 間違いだったらごめんなさい。このお話って「サムマイウェイ」のパクリではないでしょうか？ (2022年9月4日 19時) (
レス) @page28 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
花蘭(プロフ) - どうして後半だけパスワードがかかっているのでしょうか…？ (2020年8月15日 10時) (レス) id: 7a9bcca966 (このIDを非表示/違反報告)
まぬん(プロフ) - 完成したはずの後編を見たいんですけどパスワードがかかっていて見れません…よければパスワードを教えてて頂きたいです！ (2020年5月14日 8時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - お話の続きを読ませていただきたいのですが、パスワードを教えて頂くとこは可能でしょうか…？？ (2020年3月27日 9時) (レス) id: eab2b547de (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - 初コメ失礼します。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: eab2b547de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆんた
| 作成日時：2018年6月17日 21時
