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目が覚めると、やはり安室さんはまだいなかった。
『丸一日帰って来なかったな。でも仕事上そういうことも珍しくないのかも。』
自分に言い聞かせて身を起こした。
本当は寂しくて、心配で仕方なかった。
ここにいても考えてしまうだけなので、外に出ることにした。
食材の買い出しや自分の買い物など、気分転換にもなるだろう。
私は支度をしてから出掛けた。
天気も良く、歩いて行くには丁度良かった。
全部揃えられそうなショッピングモールへ出向いた。
服や下着、化粧品を買った後は軽くお昼を食べ、その後、食品売場で食材を調達する。
気付くとかなりの荷物になってしまい、歩いて来たことを後悔していた。
『これはまずい。あの距離を歩くなんて。』
「おや、Aさんではないですか?」
ショッピングモールを出て、アパートの方向に向かっていると後ろから声を掛けられた。
そこには沖矢さんが立ってこちらを見ていた。
『お、沖矢さん?』
「たまたま買い物をしていたらAさんらしき後ろ姿をお見かけしたものですから、お声をかけてみました。それにしても、その荷物…」
と、私の両手の荷物を見て首を傾げている。
『あはは。こ、これはですね…なんと言いますか…後々のことを考えずに買い過ぎてしまいまして。』
「歩いて帰るおつもりですか?」
『ええ。車で来るべきだったのですが。』
「ご自宅までお送りしますよ。」
『す…すみません。お言葉に甘えてもよろしいでしょうか?』
「もちろんですよ。困っている女性をこのまま放置して帰るほど薄情ではありませんので。その相手がAさんなら尚更です。」
『ありがとうございます。また後日お礼をしますので。沖矢さんにはお世話になりっぱなしで、本当に何てお礼を申し上げたら良いものか。』
「では、この間のカップケーキのお礼だと思ってください。」
正直なところ、本当に助かった。
沖矢さんがいてくれなかったら、休み休み歩いて家に着くのは夕方になっていただろう。
赤いスバル車に乗り、荷物を下ろして座ると車が動き出す。
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まゆたろう(プロフ) - lemonさん» ありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです。続編も楽しんでいただけましたでしょうか? (2018年10月3日 0時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆたろう(プロフ) - Rukaさん» 彼女の嫉妬作戦!それはまたすごいですね。行動力があるというか、すごいです。色々と複雑だったようで…大変でしたね。応援してるので、頑張ってください(><) (2018年10月3日 0時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
lemon - とっても面白いですね!続編もこれから読みます!応援してまーす! (2018年9月29日 23時) (レス) id: a6b1202c8f (このIDを非表示/違反報告)
Ruka(プロフ) - 順序良く言えば、友達が彼女に嫉妬した→とゆーわけで作戦実行→うちの彼氏もノってきた→友達の彼女が嫉妬した→2人が良い雰囲気になり、イチャラブシーンを見せつけられた→即退避→平和に終わったという流れですね。うちはまだ健全ですw(紛らわしくてすいません (2018年9月29日 16時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ruka(プロフ) - まぁ、、、付き合ってたと言ってもそいつの彼女の嫉妬作戦っていうしょーもない作戦に付き合っていただけですし、うちの実彼も乗り気でしたしwまあ、友達のほう、復縁したらしいので、win-winでしたね〜w (2018年9月29日 16時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆたろう | 作成日時:2018年5月12日 20時