White Black～白と黒の物語～ (ページ27)

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第27話ページ27

｢コロン！！！てめぇらコロンを離せ！！｣

変な物音が聞こえた夜中。不安にかられ俺はコロンの家に駆け込んだ。

｢チッ見られたぞ！殺せ！｣

俺はとっさに分身を作り、相手の後ろへ回って持っていた短剣で男を刺した。
殺人だ？そんなもん知らねぇ。正当防衛だ

｢コロン！！逃げるぞ！｣

｢た、タルト…！！お姉ちゃん…お姉ちゃんが！！！｣

｢無理だ！もう助からねぇ！！！早く！走れ！！！｣

どれだけ走ったんだろうな。
道なき道をひたすら走って俺らは見つけた
住処になりそうな。洞窟を。

｢…コロン、よく聞け。｣

コロンはずっと泣きそうな目で唇を噛み締めながらこっちを見ていた。

｢これからもうあの家には戻れねぇ｣

｢どうして…ですか…｣

｢俺は人を殺した、いくら正当防衛でも樹界のもんが裁判で不利なのは知ってるだろ？｣

｢さいばん…樹界は…悪いところじゃないのに…｣

俺らは種族の権力が弱いために他の世界には従わねばならなかった。

｢しかたねぇよ。俺らは下位なんだ、かなわねぇ。｣

あたしはあの時心底人間を恨んで恨んで恨みましたよー。正直人界で戦おうと。いや、人界を滅ぼしてやろうか。とも考えましたねぇ。