声が届くまで １

声量34【花巻side】 ページ39

花巻「……って話」

黒尾「んで？貴大くんはまだAが好きだと？」

花巻「いつ俺がお前に下の名前で呼んでいいって言った!?」

黒尾「まぁまぁ良いではないか」

花巻「まぁそうなるな…」

黒尾「なーるほどなぁ」

花巻「でもAは今は国見と付き合ってんだよ」

黒尾「え、まじで!?」

バッと立ち上がる黒尾
キィッとブランコが鳴った

花巻「…なんだよその反応」

黒尾「いやなんでもねぇ」

花巻「ん？」

黒尾「てかよぉ、お前ら今週の土曜か日曜
旅行行くんだろ？」

花巻「なんで知ってんの？」

黒尾「Aから聞いた」

旅行…そういえば日曜行くとか言ってたな…
どうしよ…

ポケットからケータイを取り出してLINAのグループを開く
そして及川が送った文字を読み返して、はぁ…とため息をついた

花巻「これ行かなくていいかな」

ケータイ画面を突き出して黒尾に尋ねる
黒尾は、んー…と悩んだ顔をしてこう言った

黒尾「それは行った方がいいんじゃね？」

花巻「なんでそう思うん？」

黒尾「なんとなく、てかもう決まったことなんだから行け！」

花巻「…おぉ」

研磨「クロー」

そう返事した時、公園の出入口にプリン頭の男の子が現れる

黒尾「今行くー
んじゃ頑張ってな、貴大くん」

最後にバシッと俺の背中を叩いてプリン頭くんの所へ走っていった黒尾

花巻「…って」

黒尾が叩いたところがヒリヒリする
その痛みが俺に勇気を与えてくれる気がして少し嬉しく思えた

花巻「あいつ思いっきり叩きやがったな…」

その痛みは3時間弱続きました

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