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⏰Aメロ ページ2

ピピピピピピ。









カチャ。


いつものように目覚まし時計を止める。


出来れば起きたくないんだけどな。


そのまま動くことが出来なくなって、スマホを触る。


いつものようにうるさいほどたくさんの通知が文字の羅列となっているのを見る。


私が既読をつけると、今まで一方的にメールを送っていた彼から『あ、起きた!おはよう。遅刻だよ?』と連絡が来る。








…何故ここまで私に構うのか。やっぱり私の事好きなのかな。


と、そこまで考えて、考えるのを辞める。


辞めよう。彼には【あの子】がいるから。


そんなことを考え出すと、メールにもあまり返事をする気になれなくて、メッセージにリアクションをつけるだけにして、起き上がった。


彼は、クラスの人気者。


対照的に根暗で真面目な私とは、鏡のように違う世界の人間で、二度と触れ合って交じわることはきっとない。そう思っていた。


だけど、いつからか………………………



いつだっけ。


彼の方から連絡が来るようになっちゃって、最近では毎朝頻繁にメッセージが鳴る。


私より少し先に起きているらしい彼は、既読がつかなくてもひとりでメールを送ってくる。変な人だ。


そう思いながらも、どこか今日も連絡が来ていることにほっとする自分がいた。変な人だ。


しばらくすると、1階からトーストの甘いにおいが微かにした気がする。時計を見るとちょうど8時過ぎ。


また遅刻か。、ここ最近少しづつ起きる時間が遅くなってきている。夜更かししてないのに。


そんなことを考えながら支度をする。母が作ってくれた、少し冷えてしまった朝食を口に咥えながら家を出た。








学校に着くと朝礼が終わった頃だったらしく、彼がいつも通りおはよう、と挨拶してくる。


相変わらず私に構ってくる彼。よく分からない。


『うん。おはよ。』

私はどこか恥ずかしくて、しらけた顔で返事をする。


どこかで、ああ、今日も話しかけてくれて良かった、と今朝と同じような事を思う。


私はこの不変の日常が好きなのだ。

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作者名:花音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yuna23567922  
作成日時:2024年1月6日 18時

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