【歌い手】最期まで歌いたい。

37話 独り ページ38

＿＿＿＿独りは嫌だ。


そう思うようになったのは、いつからだったかな？


気付けばそう思うようになっていた？いや、多分違うんだ。











ただ、自分の気持ちに気付きたくなかっただけだ。


自分の気持ちを声に出すと、周りに迷惑がかかるから。だから、自分の気持ちを押し込んでいたんだ。


それも意図的ではなく、無意識の内に。














でも、なんでかな？


熱が出たりすると、甘えてしまう。自分の気持ちが溢れてしまうんだ。














昔から体が弱くて、風邪を引くと治るのに時間がかかったから、独りでいる時間は長かった。


独りは嫌だ、一緒にいて。
そう言いたかったが、仕事の邪魔は出来なかった。


風邪で意識が朦朧としている中、独りでいるのは辛かったし寂しかった。













だから、灯油さんに言っちゃったんだろうな。
独りは嫌だ、って。


困っただろうな、灯油さん。僕は、何をしてるんだろう。


































































「・・・・・大丈夫か？」

A「んっ・・・。灯油さん」

灯油「随分苦しそうな雰囲気、だったけど」


ほら、迷惑かけちゃった。だから嫌なんだよ


A「大丈夫、だよ。気にしないd」

灯油「お前さ、そんなに迷惑かけないようにって思うなよ」

A「・・・・・別にそんなことない」


なんだよ、そんなに僕に構わないでよ。また、迷惑かかっちゃう

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