【あんスタ】ただの用務員ですが。なにか？ (ページ6)

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55.お前らズルいページ6

『あれ、鳴上くん』

「あら！都築さんじゃない」

『街で会うなんて珍しいな』

休日、家の食材やら洋服やらの調達に出てきた俺がたまたま遭遇したのは鳴上くんだった。

まぁ学院近いから学生と会っても変じゃねぇけど、外で生徒とは出来るだけ会いたくねぇよな。
まだ鳴上くんで助かったけど、明星くんになんか会ったが最後、大声で名前呼ばれるの目に見えてるもんなぁ。

「都築さんはどうしてここに？」

『食材調達と･･･あ、そうだ鳴上くん！』

「･･･なにかアタシ提出物とか忘れてたかしら？」

『モデル、だったよな？』

「ええ、そうだけど」

『洋服買うの手伝ってくれねぇ？』

俺の疑問に律儀に答えてくれる彼がモデルなのを思い出し、胸の前で手を合わせて買い物に誘う。

俺だけだと毎回何時間も悩んじゃうんだよなぁ。いい服とか似合う服とか分かんねぇし。

「いいわよ、付き合うわ！」

『よっしゃ、やりー！
お店とか俺はこだわってねぇんだけどさ･･･』

どんなお店がいいとかあるか？なんて話をしながら隣を歩く。

鳴上くんモデルやってるだけあって、イケメンだから街中歩くだけでもなんかこう･･･緊張？する。

『つーかお前ら学生全員、結構街中歩いてっけど、ファンに見つかったりしねぇの？』

「あー、そうねぇ･･･まぁ見つかってもKnightsのお姫様たちは」

言葉が止まり鳴上くんも足を止めたので、少し気になって後ろを振り返れば。

「今はプライベートだから、しぃ～っ」

『･･･あ、おう』

「っみたいな感じに言えば、意外とサッと退いてくれるのよね～」

鳴上くんがゆっくりと右手の人差し指を唇に持っていき、すっと目を細めて薄ら笑いを浮かべたその姿が何とも言えなくて。

ひぃ～っアイドルこっわ！！それ無意識か！？サラッとそんな事されたら邪魔できねぇの計算済みか！！！！

『･･･ファンの子達の気持ちが痛いくらい分かったわ。お前らズルい』

「え？」

『お前らズルい！！』

絶対俺はもちろん、他の普通の人には出来ねぇよ。しかもそんな自信満々に！

鳴上くんはそんなこと気にもとめずにサッサと歩いて行くので、俺は置いて行かれないように後ろをついて行った。