【あんスタ】ただの用務員ですが。なにか？ (ページ1)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:71,236 hit

50.真っ平御免被るページ1

『･･･お久しぶりです』

「そんなに畏まらなくていいだろ」

『一応、運営側と参加側ですからね』

わははと豪快に笑うところは変わらねぇな、と内心どこか嬉しさもあるようで。

まぁ基本的にいい印象じゃねぇはずなんだけどな。

『･･･氷鷹くん、ちょっといいか？』

「？なんだ」

ぐいっと肩を組んで、前にいる俺の父さんから顔を背ける。

多分、氷鷹くんなら分かってくれるって信じてるし、俺に従ってくれると思ってる。思いたい、この状況では！！

『俺が話付けとくから、とりあえず中入って支度しといてくんね？』

「･･･都築さんは？」

『俺は･･･あの人と話してからすぐ追いかけるよ。なぁに、気にすることないって』

そう言って彼の頭を撫でれば、少しだけ首を捻った後に納得してくれたのか踵を返していった。

俺にしてみればここからが本題なんだよなぁ。

「話は終わったか？A」

『ん、おかげさまで』

「･･･本当に久しぶりだな」

『何年ぶり？5年？』

まぁ俺が一方的に家出したに近いんだけどさ。

『母さんは元気？』

「元気に秘書してくれてるよ」

『っそ、』

良かった、なんて続いて出てきそうなって慌てて押しとどめる。

違う違う！俺は一応(？)、憎んでるんだよ！

「それで、逃げたお前がなんでここにいるんだ？」

『･･･成り行きで』

「戻ってくる気は、」

『ないね。真っ平御免被る』

「いつからお前はそんなに口が悪くなったんだ？」

知ったこっちゃねぇよ、と内心で悪態を付きながらガンを飛ばす。

はあーーー、ムカつく話し方がいちいち癪に障るんだよ！！

『･･･言っとくけど俺、父さん達(お前ら)の事恨んでっから』

「･･･それは俺にどうしろと」

『別に、知ってて欲しかっただけだけど？』

そう俺に言われて顔をしかめる彼を見て、少しだけ胸が痛んだのは秘密。

多分あっちからしたらなんで恨まれてるのか分かんねぇんだろうなぁ。俺が個人的に恨んでるだけだし、あっちに非はないからな。