32.先輩後輩会 ページ32
『･･･先輩』
「･･･遅刻ですね」
『いやぁ、ちょっと道に迷っちゃいまして』
「どんな馬鹿が、いつも通っている学校への道で迷うんでしょうね･･･？」
『ごめんなさい』
皮肉な言い回しで馬鹿と罵られ、もはやバレバレな嘘を即刻謝る。
くっそ、なんてこういう時に限って陣先輩時間守るんだよ･･･！そして笑うなっ！！
「･･･まぁ、昨日の今日でお疲れのようですししょうがないですね」
『先輩･･･！』
何だかんだ許してくれる先輩に頬をだらしなく緩ませて、歩き出す先輩達の後を追う。
『俺は陣先輩が遅刻せずに着いてる事にビックリなんですけど』
「だって今日、あきやんの奢りだろ？」
『･･･うわぁ』
「私は陣の分まで払いませんからね」
心から零れた俺のうわぁと言う言葉、プラス彰臣先輩の奢らない宣言で、一気に陣先輩のテンションがダダ下がる。
いや、普通に考えたら陣先輩が1番歳上で先輩なんだから奢らなきゃいけない立場だろ･･･。
「A〜、俺の可愛い後輩〜！」
『いや、奢りませんよ。つーか後輩にたからないでくださいよ』
「俺に優しい後輩はいないのかよ」
先輩には悪いけど、日頃の行いの違いの典型的な例だなって思って、笑ってしまう。
いつの間にか着いていたらしい居酒屋に足を踏み入れる。
「んで、昨日はどうだったんだよ」
『あー･･･ちょっと情けないとこ見せちゃったんスよ、Switchに』
「貴方は基本情けないですよ」
『おっと、先輩に心抉られた』
もーいいですよ、とタイミング良く運ばれてきたお酒を飲む。
俺の右隣では陣先輩がゲラゲラと人目もはばからず笑っている。
『･･･でも、なんか良かったです』
「何がですか？」
『大学生ってまだまだ子どもだったんだなって思い知らされました』
ずっと逃げ回ってきたけど今になって話してみて、わだかまりがやっと解けたから。
『先輩、飲まないんですか？』
「少しずつ飲んでますよ」
「そんで大事なライブはどうだったんだよ、Switchの」
『あ、そうなんですよ聞いてください！』
ふと振られたSwitchの話題に、昨日の熱が戻ったように鮮明に思い出しながら、ライブの様子を先輩達に語り尽くした。
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零音(プロフ) - 不眠猫さん» 申し訳ありませんでした。訂正いたしましたのでご確認お願いします。ご指摘ありがとうございました。 (2018年3月11日 15時) (
レス) id: 86bc35ccfa (このIDを非表示/違反報告)
不眠猫(プロフ) - に〜ちゃんの苗字は[仁兎]です (2018年3月9日 23時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆたん | 作成日時：2018年3月2日 22時
