【黒バス】私は、大丈夫。だから……ね。【赤司征十郎】

／帰るんです。４５ ページ6

赤「よし、コレでいいだろう。月下、紐を探してきてくれるかい？」




あ「分かりました」




紐…かぁ……




キョロキョロと棚を見たり、机の中を見てたりしていると、美術室の後ろまで来てしまった




後ろには石膏像が沢山並んでいる。正直言って、気味が悪い




電気ではなく、窓からの月明かりに照らされているため影が異様に大きい




あ「コッチにはないのか」




『何かお探しかい？お嬢さん』




あ「ひわっ！？な、な、しゃ…喋っ……た？」




１歩後ずさる。口が綺麗に動いてる、気持ち悪…！




赤「どうかしたのか！？」




慌ててコチラに向かって走ってきた赤司さんの後ろに思わず隠れた




『おや、紳士殿』




赤「…………なんでもありだな」




…わぁお、冷静過ぎだよ。害は…無さそうかな。口と目しか動かなさそうだし……




あ「あの、勝手に漁ってすみません。紐を探しているんです」




『紐…？はて……美術室にあったか……あっ、そこの棚の下の引き出しに入っている筈だよ』




あ「あっ、ありがとうございます！」




赤「助かりました」




『いいや。ここに閉じ込められたのは何人も見ているが、こんな冷静な人は初めてだ。そして、まだ誰１人死んでいないのは…』




悲しそうな目をして、口調を落とした




死んでいない……？な、によ…それ……




赤「死んでいないとは？」




『かつてここに閉じ込められた者は皆、死んでいる。いいところまで行った奴もいるが……あぁ、悲しいことよ……』




赤「ここにはどんな人達が連れてこられるんですか？」




『いろいろだよ。子供から大人まで…男女関係なく。きっと、ここで消えていった者は、元の世界での存在も消えていよう』




あ「そ、んな……！」




赤「ここの主は何を望む。何を望んでこんなことをするんだ」




『……酷い事を言うようだが、コレは人間が作った暇潰しの遊び(ゲーム)だ。誰が生き残るかをかけて、楽しんでいる』




心がギューッと痛くなった。遊びの為に何人が消えていったのだろう……




『所詮私も作り物。本来私は君達を攻撃しなければならないが、バグが起こっているようだ。私がこんな事まで知っているのは、バグで様々なものを画面の中から見、聞いたからだ』




私達は今。同じ人間に殺されようとしているの？




震える手を、赤司さんは静かに握ってくれていた

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