【マギ】女官長さんの休日

叩けば埃が出る その後1 ページ9

「ねぇねぇ私見ちゃったんだけど！」

『は？何を？』

「レイちゃんのいる女官室にジャーファルさんが入るところ！」

『え』

驚きのあまり、ドサドサと音を立てて持っていた書簡が落ちていった。
嘘、見られてたの！？しかもよりによってピスティに！？

「あぁぁその反応！ジャーファルさんに聞いた時と一緒だ！ねぇ何してたの？」

『……色々』

ピスティの輝く瞳から目をそらす。
色々って言うのはまぁ、あながち嘘ではないと思う。

「い、色々！？それってあんなことやこんなこ」

『ちがーう！！そんなのじゃない！』

ピスティが全て言い切る前に、私は言葉を遮った。っていうか小さいから出してとんでもないこと言わないで！

「じゃあ何なのさ！あんな夜中に2人きりなんて怪しすぎるよ！」

『あのね、本当にそう言うんじゃないから！ちょーっと私じゃ解決できないことがあったから呼んだだけであってね！？あれは偶然！たまたま！』

「偶然で嫌いなジャーファルさん呼ぶわけないでしょ！てか解決できないことって何！気になるからぜんぶ包み隠さず暴露してよ！」

『あぁぁもううるさーい！何でもいいじゃないの！て言うかそれ、誰にも言わないでよ！？』

「え、もう王様に言っちゃった！」

そう言って舌を出し可愛らしく微笑むピスティ。

……いやいやいや！テヘペロ！じゃないわよ！

『なんでよりによって王様ー！？』

「ごめんねー！」

『ごめんねで済まないわよ！すぐさま誤解を解かないと！』

そう言って、私は王様の部屋へと走り出した。

「え、王様の部屋に行くの！？ちょ、書簡床に置いていかないで！せめて拾ってええええ」

そんなピスティの言葉は無視。元はと言えばピスティのせいなのよ！？あらぬ誤解を一刻も早く解かないと！このことが王宮中に広がる前に！

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