良薬口に苦し 表 ページ1
「……38.5℃ですね」
『うっさいわねぇ』
「大人しく寝てろ」
『ちょっとキツいんじゃないの!?言葉の言いようが病人に対する言葉の使い方じゃないわ!』
_________________________
時は一時間ほど前。
朝起きたら体が重いったらありゃしない。でも仕事を休むわけにはいかないから、フラフラの足取りのまま朝議へ。
会議室の扉を開けたら、ギョッとした顔のジャーファルと目が合って。パタパタと何処かへ行ったと思ったら、マスルールを連れてきた。『やめろ離して!担がれるとかそんな幼女的趣味はない!!』と騒ぎ立てる私を無視して問答無用で担がれ、自室に戻されたのが数十分前。ベットに降ろされて布団をかけられたのがほんの数分前だ。
そして冒頭に戻る。どうやら私は熱があるらしい。
『これぐらいなんともないわよー』
「そんな赤い顔で言われても、説得力の欠片もありませんね」
そう言いながら手際よく薬を用意し始める。
どこからともなくコップを出し、どこからともなく漢方薬が出てきて。なんなの、四次元ポケットでも持ってるの?
そして私の霞む視界に、水を入れたコップと漢方薬が置かれた。上からじとっと黒い目が見下ろしている。
『……なに。飲めっての?』
「用意してあげたんだから飲んで下さいね?」
と、仕事スマイルで微笑まれた。
『……頼んで、ないし』
なんだか腹立たしかったので、そっぽを向いてやった。するとジャーファルはお得意のため息を1つ。
「こういう時ぐらい減らず口慎んだら?いいから飲め」
『うぇぇぇ……苦そう』
逆らえないオーラを感じたので、仕方なーくコップを左手に持ち、漢方薬を右手に。飲まなければいけない事は分かってる。でも、右手が動いてくれない……。
「良薬口に苦しですから。なんなら飲ませてあげましょうか?」
飲もうとしない私を見てニヤニヤしやがる。性格悪っ。
『嫌だ。自分で、飲む』
ジャーファルの手は絶対借りたくない。
「じゃあとっとと飲んで寝ろ」
『……はいはい』
嫌々漢方薬を口に運ぶ。なんとも言えない苦味が広がって、慌ててコップの水を飲んだ。
ベットに寝転び、布団を被る。すると直ぐにヒンヤリとしたものが頭に乗せられた。多分氷袋。
「はい。大人しく寝てて下さい」
……結局誰にでも世話焼きなのよ、こいつは。
『……わかったわよ。ジャーファルは、とっとと帰って。はい、お疲れ様ー』
「……熱で頭がイカれたんですね。あ、元からか」
『……今の結構、傷ついた』
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堕天使(プロフ) - りんりんさん» ありがとうございます!気長に待ってくれると嬉しいです(^^)是非書かせていただきます! (2016年1月27日 22時) (レス) id: 6e07dbc3a4 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - リクエストいいですか?女官長さんが酔ってしまった話が見たいです(*´ω`*)お願いいたします (2016年1月26日 22時) (レス) id: 19ff0856e9 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - イシスさん» もちろんです!リクエストありがとうございます(^^)楽しく書かせていただきます! (2016年1月25日 21時) (レス) id: 6e07dbc3a4 (このIDを非表示/違反報告)
イシス - すみません、リクエストします!女官長さんに猫耳が生えちゃった話が見たいです!よろしくお願いいたします! (2016年1月25日 18時) (レス) id: cb40c7098f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 x他1人 | 作成日時:2015年9月3日 19時