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「今の、何処からだ?」

「ここの裏にスイートルームの中庭があるみたいなのでそこからじゃないですかねー? 結構近くから聞こえた気がするんで」


社員達は今の悲鳴はただ事では無いと感じたのか、静まり返った。不動の質問に山吹が早急にスマホでこの旅館のマップを開いて答えた。
一応行ってみるか、と不動が言った。その言葉に全員賛成で向かうことにした。





女は夫婦で旅館に来ていた。旅館で久しぶりに二人で過ごす時間が出来たのだ。旅館を散策していると、高校時代の友人に会えた。確か、夫と同じ会社の同僚だ。その友人は、女よりも、ずっと綺麗で、完璧な、女の中の理想像ーー、とでも言うべきであろうか。


人間の感情とは醜いものだ。強すぎる羨望は嫉妬に変わり、黒くドロドロとした感情は相手に対する憎悪になる。全てにおいて劣っている、劣等感。


積み重なった感情は人間を狂気に走らせる。そこまでは思いとどまることが出来ても、手元に凶器さえあれば殺意は形になる。





「どうしましたか?」


社員が駆け付けると中庭の中心に横向きになって細身の男が倒れてーー否、死んでいた。瀬川が遠目で此方を向く死体になった男の顔を見て、呟いた。


「あ、この人…」

「どうかしたかい?」

「いや…。何でもないです」


そばにいた美影の問い掛けに言葉を濁して死体から目を背けた。


「すみませんが警察に連絡してもらえますか?」

「わ…、わかりました……」

美桜(みお)…」


美桜と呼ばれた女性が奥に引っ込み、警察に連絡をした。『夫が殺された』と。
不動は被害者から社員に目線を移して言った。


「いいか、警察が来るまで現場は荒らすなよ」


だが、不動の制止は最早手遅れ、一人だけ現場に入った。
美影だ。美影に常識は通じない。


「そんなお堅いこと言わないでよ不動君」

「美影…! 貴様という奴はァ…!!」

「良いじゃない。足跡もつけてないのだから」


美影は自分の異能を器用に駆使して足場を作り、何の痕跡も残さずに現場に入った。そして、パーカーのポケットからスマホを取り出して死体と現場の写真を撮り始めた。


(顔がふやけてる…? ということは溺死かな)

「おい」


カシャ、とシャッター音が何度も鳴る。


(これ、スタンガンで出来る火傷の痕…)

「おい!」

「はいはい」


美影はスマホをポケットにしまい、戻って異能を解除した。


「色々わかったよ」

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ラハル - アノさん» ありがとうございます!他の作者様の素敵な文に負けがちですが精一杯やらせていただきますのでよろしくお願いします!! (2017年3月5日 22時) (レス) id: a67c8f74a0 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - アノさん» お褒めに頂き光栄です(*´∀`) 更新遅れてますが頑張りますね(^o^ゞ (2017年2月24日 20時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
アノ - 凄く楽しく見せてもらっています!凄くこの作品好きなので更新頑張って下さい!応援しています! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 09388b2c82 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - 花園イリアさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!これからも頑張るので宜しくお願いします!! (2016年11月25日 22時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» 有難う御座います! ご期待に添えるように頑張りますね(*´ω`*) (2016年11月22日 9時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神羅 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年9月5日 18時

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