【d！】巡り廻って6【実況者】 (ページ22)

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＃272 ページ22

「どうせやったら、
　他も久しぶりに触ったら〜？
　ほら、トントンもっ！」
「んえ〜？
　シャオロンとか先やりぃや」
「こ、交代･･･」
「Aは座ってような〜」
「えっ･･･！？」

　他も交代してやるのだろうと思っていたAは、笑顔のチーノに柔く押されて座らされる。戸惑ってAは彼を見上げるが、彼はニコニコと笑ったまま、肩に手を置いている。
「よ〜し、やっかぁ」
「久しぶりやなぁ〜･･･」
Aを挟んで座ったのは、シャオロンと鬱である。
彼らはそれぞれ、先程やっていたゾムとチーノのPCを寄せて貰い、自分のPCを操作する。

「ほ、他の方もやるのでは･･･！？」
「大丈夫大丈夫。
　後やるって言うたら、
　トンロボエミショピやから」
「後2連戦は出来ちゃうなぁ？」
Aが戸惑っている中、シャオロンはケラケラと笑い、鬱は微笑みながらAの方を見ている。
「大先生、いつものキャラ使ってええよ。
　俺どうすっかな･･･」
「索敵二人いてもええんやない？」
「せやなっ」
「はーい、Aちゃん押すよ〜」
「わっ･･･！？」
鬱がサッと手を前に出して、Aのマウスを押そうとする。

ドォォォンッ！！！

「「「！？」」」

　ゲームを始めようとした瞬間。
外の方から大きな爆発音がして、全員が其方を見る。
「･･･ば、爆発･･･？」
「･･･舎弟か？トン氏」
「いや。
　あんな大きい音出す奴おらん」
驚いているAを横目に、グルッペンとトントンが短く受け答えをする。

「･･･近くのビルで、大爆発発生やって」
　そう言って携帯を見せて来たのは、オスマンだった。
「テロ集団による、爆発事件発生。
　被害者は不明、目的も不明。
　パーティー会場もある、
　結婚パーティーとかに使われる
　ビルらしいで？」
「緊急速報出てら。
　あーあ･･･
　何処の奴らが問題起こしてん」
兄さんも自分の携帯でニュースを見ているのか、眉を顰めている。
「此処も避難区域入ってるねー･･･」
「他の方々は動いてなさそうですね･･･」
ひとらんもエーミールも、困った様な顔をしている。

「(･･･ひ、避難指示が出てるのに･･･
　何で皆さんこんな落ち着いてるの･･･！？)」

　先程の爆発音で驚いたにも関わらず、何故かのんびりとしている。その事に、Aは頭の中で混乱している。

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