【d！】巡り廻って6【実況者】 (ページ21)

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＃271 ページ21

「ダメやろ〜？
　ショッピくん。
　 Aちゃんあんまいじめたらんのっ」
「･･･いじめたつもりないんすけど？」
「じゃ〜、弄るのはだ〜めっ。
　誰の教育〜？兄さん？？」
「おいオスマン」
Aを抱きしめたまま、ショッピと話すオスマン。
急に巻き添えを喰らって、兄さんは彼に対して怒る。

「･･･A離したらんのですか？
　あんまきつくやらへん方が
　ええと思いますけどー」
ショッピは真顔で、オスマンに訊ねる。
彼はAを抱きしめたまま、少しずつ力が強まっていっているのが、側から見て分かる。
「そんなきつくしません〜。
　らんらんみたいに、
　ドSになりません〜っ」
「何で俺も巻き込もうとしてんの？？」
頬を膨らませているオスマンの言葉に、今度はひとらんが目を丸くして彼の方を見た。

「猛獣ばかりやからな〜。
　お兄さんが守ったるからな〜」
「「お前が一番猛獣やわ」」
「やだこわぁいっ」
真顔でひとらんと兄さんに睨まれて、オスマンはキャッキャとしながらAを抱きしめ続ける。

「･･･いい加減離したれ」
ポンッ

「きゃんっ！」
　トントンが話しかけて来たかと思うと、オスマンとAの僅かな隙間に、透明な膜が現れる。
それは球体になってAを囲み、オスマンを押しのけて離れさせた。
「･･･と、トントンさん」
今まで状況が掴めず混乱していたAは、自分を助けてくれたトントンの方を見る。
「ごめんな、A。
　オスマン『嫌』って言わへんと
　離してくれへんタイプやねん。
　･･･まあそれでも離さへん事あるけど」
トントンがジトーッとオスマンを見ると、彼は「えへっ！」と照れ笑いをしている。
「はぁー･･･
　スキンシップ激しくすなぁ？？」
「だって赤くなるAちゃん
　可愛ええやんっ？」
「だからお前もSの分類なんよ」
「あっれー？」
トントンに言われて、オスマンはわざとらしく、首を傾げる。それを見てトントンは、何度目かも分からぬため息を吐いた。

「･･･大丈夫？A」
「だ、大丈夫です･･･ショッピさん」
「(まだ顔赤くしながら
　言う事やないんやが？？)」

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