【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ39)

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第134話ページ39

「あれ？もしかして熱上がって来てる？」
　リビングに戻って来たしんぺい神が、Aを心配している様子の皆を見て訊ねる。
「せやねん。手で触っただけやけど、熱くなっとるの分かるわ。」
鬱はAの前でしゃがんだまま、しんぺい神に説明する。
「あらぁ。解熱剤も必要かな？とりあえず風邪薬飲もうか。」
「水いるでしょ？」
「あ。ありがとう兄さん。」
台所から水が入ったコップを持って来た兄さんが、Aにコップを差し出す。

「A、薬飲もうな？」
「く･･･すり･･･」
コップを受け取りながらも、Aは「薬」と聞いて顔を顰める。
「(あれ･･･熱あるからか顔に出やすくなっとる？)」
兄さんはそう思っている間に、しんぺい神がAに錠剤を2粒渡した。
「飲まなきゃ駄目だよ？今熱上がってて辛いでしょ？」
「く、すり･･･。」
しんぺい神に訊かれるが、Aは錠剤を持ったままジッと見ている。
「飲めない？俺が飲ませてあげようか？口移しでっ。」
「「「ステイ！！」」」
語尾にハートが付きそうなしんぺい神を、周りが慌てて引き剥がして止めた。
「皆酷くない？俺医者よ？」
「お前の目がマジだったんだよ！！」
「狙う範囲広げんな！！」

「･･･さ。良い子だから飲もうな？」
皆に責められているしんぺい神を横目に、兄さんはもう一度Aに訊ねる。
「･･･は、い･･･。」
Aはもう抵抗も出来ないのか、素直に錠剤を口に入れて水を飲んだ。
「･･･ぅぇ･･･。」
Aは薬が苦かったのか、顔を顰めて少し舌を出す。
「ん、ええ子ええ子。」
兄さんはAからコップを受け取り、Aの頭を優しく撫でる。
「ええ子は寝ような？ちょっと触るで。」

　ふわっ
兄さんが断りを入れてから、Aを抱き上げた。
「あっ！兄さん狡い！！」
抱き上げられるAに気付いて、ゾムが兄さんに怒る。
「狡くない。はい、コップ持って。」
「え？あ、おう。」
兄さんにコップを預けられ、ゾムは訳も分からず受け取る。
「俺A寝せて来るから。お前等も早く寝るんやで？」
兄さんは皆にそう言ってから、Aを抱き上げたままリビングを出て行った。

「･･･あーあ、兄さんの勝ちだねぇ。」
しんぺい神はそう呟いて、いつの間にか持っていた酒の蓋を開けた。

「･･･俺パーカー取りに行こ～。」
「待て待て待て。そのまま居座るつもりやろ。」
ゾムが何かを企んでリビングを出て行こうとしたが、鬱によって止められた。