【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ19)

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第114話ページ19

1限の授業が行われる教室まで送って貰ったAは、教室前でグルッペン達と別れた。
教室の中に入ると視線が集まったが、Aは気にせずに空いている席に座った。
「(Cランク上がれるといいな･･･)」
Aはそんな事を考えながら、授業を受ける準備をする。
「(･･･授業終わり･･･誰が、来てくれるんだろう･･･)」
授業終わりの事を考えているAは、何処か楽しそうだった。

○●○●○

授業終わり、Aを迎えに来たのはゾムだった。
「次の授業は！？」
「だ、大講義室です･･･。」
「上行くのダルくない？サボる？」
「そ、それはちょっと･･･。」
「ふーん。A真面目やなぁ。」
上機嫌のゾムの隣に行き、Aは歩き出す。
「･･･あの、ゾムさん･･･。」
「ん？」
Aが声を掛けると、ゾムは笑顔でAの方に顔を向ける。
「み、なさんが･･･こうして、授業終わりに･･･来てくれるのは･･･
　わ、たしが･･･何かしら、被害が及ぶから･･･ですか･･･？」
「･･･あー･･･気づいとった？」
Aの問いに、ゾムは気まずそうに聞き返す。
「グルッペン、さんも･･･トントン、さんも･･･朝に、何か話してた、ので･･･
　その･･･申し訳、ないなと･･･。
　皆さん、お忙しければ･･･私、1人でも･･･」

「それは駄目や、何があるか分からん。」
ハッキリ答えたゾムは、笑顔から真剣な顔に変わっていた。
「ぞ、ゾムさん･･･？」
「俺等がしたくてやっとるんや。それにこうして俺等がついとっても被害が出るかも知れへん。
　AのCランク上げを早めにしたいのも、心配やからやねん。
　Cランクに上がればチーノとショッピと一緒の授業が多くなるからや。」
パーカーと長い前髪で隠れていたゾムの目は、少し揺れていた。
「･･･あ、りがとう、ございます･･･ゾムさん･･･。
　まさか、そこまで･･･心配して、くださっているとは･･･。」
「ん、分かって貰えたらええねんっ。」
Aにそう言ったゾムは、先程の笑顔に戻った。
「終わったら誰かしら迎えに来るからな！待っとって！」
「はい･･･。」

大講義室前まで行った2人は、授業が始まるまで少し話をする事にした。
「何かあったら通信機ですぐ知らせてな？
　伝達魔法も使えるんやったらそっちでもええし！俺いつでも来るで！！」
「･･･ありがとう、ございます、ゾムさん･･･。」
「ん！じゃあ後でな！！」
Aは元気に手を振って去るゾムに手を振り返してから、大講義室に入った。