【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ13)

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第108話ページ13

「「「ただいまー！！」」」

「･･･ゾム･･･A放しなさい。」
「いや！」
　玄関で苦笑いしながら兄さんに言われるが、Aを抱き上げたままのゾムは笑顔で拒否した。
「ぬいぐるみやないんやから。せめて横抱きにしいや。」
「あ、そっか苦しいか！」
兄さんに言われて、両手両足をプラプラさせていたAを、ゾムは姫抱きに変えた。
「大丈夫？A。」
「は、はい･･･。」
Aは抱き上げられながら、戸惑いつつもゾムに返事をした。

「ご苦労だったな。クエストクリア報告は此方が行っておいた。」
グルッペンがそう言い、トントンは仕事が1つ減ったからかホッとしている。
「まずは休んでくれ。兄さんとオスマンとエーミールが菓子と紅茶を用意してくれている。」
グルッペンに言われて、全員がリビングに入って、席に着いた。
「Aさん、いつもカフェオレですが紅茶も飲めますか？」
「えと･･･ミルク、入れてなら･･･。」
「では入れましょうか。」
エーミールはAの話を聞いてから、Aの紅茶にミルクを入れた。
「ありがとう、ございます･･･。」
「いえ。お菓子なら食べきれると思いますので、皆さんと同じ量お出ししますね。」
「何から何まで、すみません･･･。」
「いえいえ。」
エーミールは笑顔で返事をして、Aの隣に座った。
Aのもう片方には、ゾムが座っている。
　クエスト後の労いとして、全員が集まって簡易的なお茶会が始まった。

「さて･･･A。本当に得意魔法は闇魔法かな？」
「んぐ･･･？」
グルッペンに唐突に聞かれて、Aは口の中のお菓子を飲み込む。
「確かにソレは思ってんな。見てても闇魔法より風魔法が多いと言うか･･･。」
ロボロが菓子を頬張りながら、グルッペンに同調する。
「･･･闇魔法、は･･･珍しくて･･･あまり、人が･･･関わろうと、して来ないので･･･。」
「まぁせやね。グルッペンもそうそう声かけられる事あらへんし。」
「グルちゃんお顔怖いから･･･。」
「大先生今すぐ闇に沈めたろか？」
「しゅいましぇん。」
グルッペンにニッコリと微笑まれて、鬱は縮こまって何も言えなくなっている。
「師匠に･･･魔力が、人よりあるからと･･･万遍なく、鍛えて頂いて･･･。」
「使いやすいのが風魔法だったのか？それとも状況的問題か？」
「状況的問題･･･ですね･･･他の魔法も、ちゃんと使えます･･･。」
そう答えたAは、自分の周りに蝶の形を保った水を何体か出現させた。