【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ14)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:71,155 hit

第109話ページ14

「へっ。」
「Aそれ無意識？」
「？」
目を丸くさせるエーミールと、不思議そうに訊いてくるゾムに、Aは首を傾げる。
「エミさんな、魔法使うと綺麗な蝶出て来るねん。」
「えっ･･･。」
オスマンに言われて、Aも目を丸くさせた。

「･･･えへへ･･･。」
Aがエーミールを見ると、エーミールは照れて頬を掻いている。
「何照れとんねん気持ち悪い。」
「男の照れは需要無いで。」
「菓子不味くなる。」
「袋叩きぃ･･･。」
鬱・シャオロン・コネシマに言われて、照れていたエーミールは落ち込んでしまう。
「え、エーミールさんも･･･蝶、を･･･出せるんですか･･･？」
Aは気を遣って、話題を逸らそうとエーミールに訊ねる。
「そ、そうですね･･･。こんな感じに･･･。」

　ふわっ
エーミールが宙に人差し指を向けると、エーミールの周りに数匹の蝶が現れた。
「わ･･･！」
　現れた蝶は綺麗な水色の羽をヒラヒラと優雅に動かして、淡く光ながらエーミールの周りを飛んでいる。
その光景に、Aの生気のない目に少し光が灯った気がした。
「き、れい･･･。」
「そ、そうですか？」
「この子、達は･･･魔力を、宿して･･･るんですか･･･？」
「！そうですっ。
　こうやって魔力を貯めておく事によって、緊急時に魔力補給が出来る様にしてるんですっ。」
「あー、エミさんにスイッチ入ったぁ･･･。」
Aに笑顔で説明し始めるエーミールを見て、ゾムは顔を顰めて呟いた。
「魔力補給薬がなくても、魔力補給が出来る･･･古代魔法、ですか･･･？」
「そうなんですっ。私はサポート専門なので、こんな魔法も覚えたんですっ。」
「古代魔法には、そんな魔法もあったんですね･･･。
　でも、魔法と魔法の、組み合わせで･･･この子達は、存在しているのでは･･･？」
「そうっ、そうなんです！ここまで来るのにかなり苦労しまして･･･！」

「だあああ！エミさんばっか話して狡い！！」
　ぐいっ
「うっ」
痺れを切らせたゾムが、Aを自分の方へ引き寄せた。
「ぞ、ゾムさん！？」
「エミさんばっかAと話して狡い！！俺かてSランクやから知識持っとるのに！！」
「ゾムさん戦闘メインですよね！？」
「俺やて古代魔法使えるもん！！」
「誰やこの人に危ない魔法教えたん！！」
「知らないにゃ～。」
「総統ー！！」
ゾムとの論争で普段より砕けた口調になるエーミールは、とぼけているグルッペンにツッコミを入れていた。