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第110話 ページ15

「(・・・何だか、良い感じに話が逸れた・・・)」
Aはエーミールとグルッペンの論争を見ながら、自分の水の蝶とエーミールの水色の蝶を遊ばせる。
「(・・・闇魔法は、本当に人を避ける為に言ってるだけだからなぁ・・・
  それにしても・・・エーミールさんなら、"禁術魔法"も使えるのかな・・・)」
「よっしゃ、エミさんの意識逸れた。」
エーミールを見ていたAは、ゾムが嬉しそうにそう言うので其方を見た。
「A魔法の事知るの好きなん?」
「そう、ですね・・・。」
「じゃあ明日の【上級魔法学】一緒に出る?」
「へっ・・・。」
「コラコラコラ。無茶言わない。」
ゾムの提案に少し目を輝かせたAを見て、トントンはゾムを止めに入る。

「え?俺の許可あればええんちゃうん?」
「駄目よー?まだ【中級魔法学】とってるならまだしも、まだ基本なのよ。」
「でもAの反応からして、A基本の授業飽きとるんやない?」
「・・・実は・・・そう、です・・・。」
「ほら。」
「『ほら』じゃないのぉ!1ヶ月は待って貰わんと。」
「てかA、Cランク上がれるん?」
「あー、上がれるよ?戦闘力的にも魔法技術的にも上がれる事は分かった。」
「!本当、ですか・・・?」
Aが訊ねると、トントンは頷いた。
「なんならBランク上がってもええぐらいやねんけど・・・
 クエストがCランクのものやったから、それ以上の実力があるか確認出来へんから・・・。」
「Sランク3人で申請しに行けば、あっさり通るんやない?」
「それやったらあれよ?俗に言う"圧力"かけとるで??」
「ええやん。」
「よくなぁい。」
トントンに拒否され、ゾムは子どもの様に口を尖らせて頬を膨らませる。

「ともかくクエストクリアの報酬貰たいな。」
トントンはそう言って、まだエーミールと論争をしているグルッペンに声を掛ける。
「ほら、初クエストクリアの報酬Aにあげたいからさ?
 グルさん伝えたのよね?クリアしたって言うの。」
「したゾ。ついでにCランク上げへの申請もしたら驚かれたゾ。」
「そりゃ驚かれるわ。」
「因みにチノショピにクリア報酬取りに行っておいて貰ったゾッ。」
「え、そうなん?」
グルッペンに言われて、トントンはチーノとショッピの方に顔を向けた。
「あ、そうです。」
「はい!Aちゃん。」
チーノはAの所に行き、小さな袋をAに渡した。
「クリアおめでとうっ!」
「・・・お金・・・。」
Aが袋を開くと、そこには少額ではあるがお金が入っていた。

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年10月15日 2時

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